読書録~看書便條~

読書録ブログです。小説、趣味、仕事の本などいろいろ。Kindle Unlimitedにお世話になっています。

【読書録】寝ながら学べる構造主義

いつだったか忘れたが、尊敬する友人が『寝ながら学べる構造主義という本を読んでいた。私は構造主義という言葉は聞いたことがあるものの、それが何であり、私たちにどうかかわりがあるものなのかいまいちよく分からなかった。

それからしばらくして、『寝ながら学べる構造主義Kindle Unlimitedで読めるようになっていた。以前「構造主義ってなんだっけ」と思いつつ、怠惰ゆえに調べることもしなかった私は、サブスクリプションの元を取りたいという不純な動機でこの本を手に取った。

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そもそも、構造主義とは何なのか。ざっくりいうと、私たちの社会や文化は、ある構造に支配されている、という考え方だ。

私たちは自分が思っているほど、自由に、あるいは主体的にものを見ているわけではない。むしろ私たちは、ほとんどの場合、自分の属する社会集団が受け容れたものだけを選択的に「見せられ」「感じさせられ」「考えさせられている」。そして自分の属する社会集団が無意識的に排除してしまったものは、そもそも私たちの視界に入ることがなく、それゆえ、私たちの感受性に触れることも、私たちの思索の主題となることもない。

もっと端的に言えば

私たちは自分では判断や行動の「自律的な主体」であると信じているけれども、実は、その自由や自律性はかなり限定的なものである

(略)

人間は自分自身の精神生活の主人ではない

ということになる。

例えば本書にあげられる「マトン/シープ」の例などが典型であり、実感の湧きやすいものなのではと思う。日本語では動物でも肉でも「羊」は「羊」だが、英語では動物果肉化によって呼び名が変わる。おなじ「羊」をみているのに、それを見て考える言葉が、母国語や社会背景によって変わってしまう。

そのほかにわかりやすい例としては、外国語の発音もあると思う。私は中国語を勉強しているが、日本語にはない発音は習得が難しい。
例えば、ピンインでいう、子音のR。Riに読み仮名をつけると「リー」や「ズー」と降られることが多いのだが、実際に話すと「リー」と「ズー」の中間であり、そもそも日本語で表しきれない音であることがわかる。ちなみに、Riは「日本」の「日」の発音であるため、否が応でもマスターせざるを得ない。

と、このような構造主義の概要説明からスタートし、構造主義を発展させた四大学者の功績の説明が続く。詳細は省くが、個人的には文化人類学者であるレヴィストロースの研究実績が驚愕の内容だった。漠然と「まあそういう傾向あるよね」とおもうような人間関係を8ビット(2進法)で表現しており、ルールがなさそうなものにもルールがあることを改めて実感させられた。

 

*1:文春新書

【読書録】化物蠟燭

夏といえば怪談…と思いずっとAmazonのほしい本リストに入れっぱなしだった本があった。

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気付くと夏は終わっており、秋の夜長に本を読むような時分になってしまったが、秋の夜長に読むのも悪くないと思い購入。圧倒間に読み終えてしまった。

『化物蠟燭』は、江戸版の「世にも奇妙な物語とでも言えばいいのか、単なる怖い話ではなく、オチがあったり、どんでん返しがあったり、すでにこの世を去って人からのメッセージが込められていたりと、驚くようなものやほっこりするような内容のお話も多い。

主人公は様々なタイプの「人間」なので、誰かに感情移入しながら読んでもいいし、年齢やバックグラウンドが離れすぎて理解しにくいというのであれば祖父母の昔話を聞いている感覚で読んでみるのも面白いと思う。

短編集のためネタバレ防止の観点からするとあまりストーリーを語ることはできないが、奇妙な経験に陥るのは決まって主人公である。ただ、奇妙な側と、奇妙でない側がどちら側なのか…これは読んでみないとわからないところであり、最初に読んだ時こそ楽しめるのではないかと思う。

ちなみに、一人で夜読んだとしても、お手洗いに行けなくなる、ということはなさそうなので安心して読んでいただきたい笑

 

苦手な食べ物

緊急事態宣言が解除され、少人数で外食する機会もちらほら出てきた。
見知った相手と食事をするときは意識的に考えないのだが、仲良くなって日が浅い相手がいるときは、食べられないものやアレルギーがないか、聞くようにしている。
食事に行って、お料理を残したくないし、かといって頑張って苦手なものも食べるのはちょっといやだし、メニューを見ているときに「相手が○○を頼みませんように」とか祈るのも嫌だからだ。

シンプルに苦手で食べられないもの

ちなみに、私は苦手な食べ物が多い。苦手の度合いもいろいろあるのだが、どこで出されても食べられないものとしては、貝とレバーが挙げられる。
私の苦手な食べ物は、たいてい①食感、②風味が苦手のどちらかがその理由なのだが、貝とレバーに関しては①②どちらも満たす食べ物である。

ちなみに①でいうと、キノコや生のエビ、お肉の脂身なども苦手である。貝もそうなのだが、あのグニグニした感じがどうも好きになれない(でも、お菓子のグミはたべられるんだよね、不思議)。
②でいうと、いまなお苦手なものとしてはウニや青かびチーズがある。もとはエビやイカ、タコも苦手だったが、年齢を重ね、いろいろな調理法や味付けに出会う中で、調理方法によっては食べられるようになった。

シンプルではない理由で苦手なもの

しかし、こういうシンプルな理由で「苦手」と言えない食べ物が実はある。これは、結構厄介で「大きなくくりでは食べられるのだが、ある条件を満たしたものは食べられない」というものである。

菓子パン

ひとつめは、菓子パン。パン屋さんで焼き上げたようなパンは平気なのだが、コンビニやスーパーで売っているような菓子パンが食べられない。カレーパンやクリームパンのような「中身詰まってる系」は食べることはできるが、特に苦手なのが、「中身詰まっていない系」の甘めのパンだ。なぜ苦手なのかというと、これは過去に一度食あたりを起したからで、それ以来似た味のパンが怖くて食べられなくなった。正確に言うと、食べてもいいのだが、食後、心配過ぎて決まってお腹が痛くなる(食べ物のせいではなく、精神的なものだと思う。その証拠に、おなかを下したりマーライオンしたりすることはない)。

ペペロンチーノ

もうひとつは、ペペロンチーノ。ちなみにこれは、レストランで出されたものは食べられるので、自炊しないかぎり問題になることはない。こちらも苦手な理由は菓子パンと一緒で、過去に食あたりを起したからだ(パスタがダメだったのか、パスタソースがダメだったのかは判然としない)。あたった直後はパスタが一切食べられなくなったが、さすがに数年たち、ペペロンチーノ以外のパスタは、貝やウニ(シンプルに苦手なもの)さえ入っていなければ食べられるようになった。

ちなみに、時間軸の話をすると、菓子パンが食べられなくなった4年後にパスタにあたり、ペペロンチーノ以外のパスタを克服するのに2年程度かかったので、その2年間は菓子パンとパスタが食べられなかったことになる。日本人の主食は米、パン、麺が挙げられることが多いが、そのうち2つに苦手意識があると食の選択肢が大幅に狭まってしまう。我ながらしんどい2年間だった(だからこそ、なるべくトラウマに引っかからないような場所・ものを食べるよう試みた)。

そして、今はもう平気だが、一時期食べたら吐き気を催すほど苦手になったのが、である。一言でいうと、アレルギーによく似た症状が出てしまってからしばらく怖くて食べられなくなった。
事の発端はウン年前に台湾の某所で半熟の目玉焼きを食べたことだった。当時、今以上に中文が下手だった私は、台湾人の友人に勧められ、メニューを見ることもなく(見ても読めなかったので)おすすめを注文してもらった。そこで出された料理のひとつ(というかつけあわせ)が目玉焼きだった。
食後数分して、胃の不快感、のどのかゆみ、気分の悪さに見舞われた。そして、3回ほど吐き戻し、胃がすっからかんになったとたんに元気になった。
当時は、卵が半熟だったからあたったのだと思っていた。そのため、半熟卵や温泉卵のような、卵の風味ととろみを感じるもの(半熟卵、オムライス)を食べると、空き戻しの思い出がよみがえって気持ち悪くなってしまうようになり、結果としてそういう料理を食べなくなった。
ただ、あるとき、完全にとろみのない炒り卵を食べて同じ症状を発症したことをきっかけに、逆に半熟卵を食べられるようになった。どうやら、私は鶏の卵はOKだが、鴨の卵はダメらしく、それさえ避ければ基本よいということがわかったからである。
日本では鴨の卵にお目にかかることはそうそうないので、今では、中華料理屋に行かない限り、卵をあえて避けるということはしていない(一度、日本の中華粥屋で鴨の卵をみつけたときは心底驚いた)。

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トラウマは食の好みも変える

これらの経験から、単に味や舌触りが苦手という理由以外にも、食べ物が苦手になる契機はありうると学んだ。味は美味しいとわかっていても、過去の痛い経験が勝ってしまい、おいしいと感じられず、むしろ怖さで食べることができなくなる。
苦手な食べ物を克服する際は、おそらく、一度は口にいれないと苦手は克服できないと思うので、どちらのタイプの苦手なものでも克服は難しい。ただ、食あたりなどのトラウマがあって食べられないものについてはトラウマごと克服しなければならないのでハードルは高い気がする。自分の場合、幸い卵は原因の特定ができたので克服(というより食べられない範囲を狭める)ことができたが、相変わらず菓子パンに関しては食べられるようになっていない。
そろそろ外食の機会も増えたので、シンプルに苦手なものとトラウマに注意しつつ、食事の時間を楽しみたいと思う。また、もうコロナでしばらくお店の予約や幹事をしなくなり、ともすれば忘れてしまうが、誰しも苦手なものはあるだろうと心にとめてお店探しをしたい。

【読書録】「がんになって良かった」と言いたい

タイトルを聞くと、人によってはぎょっとするかもしれない。

どういう意味?病気に何てならない方がいいじゃないか、何が良いことなのか、などなど。

ここでそういうことを思った人にこそ、ぜひこの本を読んでみてほしいと思う。この本の著者も、この言葉について考えをめぐらし、生き延びた者からこそ言える言葉なのではないかと自問自答している。

今回読んだ本はこちら↓

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この本の筆者は、白血病で闘病していた大学生。入院していると思えないほどツイートはバイタリティーにあふれていた。Twitterのほか、ブログも拝見していたのだが、おそらく相当頭の回転が速い方だったのではと思っている。

本書はそのブログの内容も含んでいるので、ブログを読んでいる方にとっては既知の内容かもしれない。ただ、とても情報量の多いブログなので一回読んではいおしまい、ということをする必要はなく、何度読み返しても考えさせられることがある。

 

この本のタイトルの重要な部分は意外と鍵括弧の外にあるのではないかと感じた。「『がんになって良かった』と言いたいというタイトルからは、筆者自身が「がんになって良かった」なんてストレートに思っているわけではなく、言えるようになりたいという気持ちが感じられる。

言えるようになりたいとなぜ思うのか、という葛藤や、「よかった」とストレートには言い切れないような壮絶な闘病については、ここで書くよりも本を読んでもらった方がいいと思う。

「病気になんてならない方がいいじゃない」と思う人がほとんどだと思うが、実は意外と闘病のリアルな部分を見たり聞いたりしたことがある人はいないのではないかと思う。かくいう自分も、身内ががんではあったのだが、発覚後季節をまたぐことなく亡くなってしまったことや、本人が弱みを見せない性分だったこともあり、いかに闘病が辛いのかということを直接聞いたことはなかった。身内でありながら、辛さは推して測ることしかできず、しかし推し量るための材料もほぼないような状態だった。

そのため、この闘病記を読んであまりのすさまじさに驚いた。体よりも先に心がまいってしまうのではなかろうか、とおもうような経験がつづられていた。これほどまで命について考え、死を身近に感じたら、病に対する見方、生きることに対する見方も変わって当然だろうと思った。

だからこそ、身近に闘病をしている方がなく、自信も大病を経験せず、この本のタイトルに違和感を感じた人にはぜひ中身を読んでほしい。自分が一切知らないような世界と価値観を嫌でも見せつけられることになる。そして、自分はいま健康に生きていられること、未来が具体的には見えていなくても「あるようにみえている」ことがどれほど幸せなことなのか、感じることができるだろう。

赤色のものはお好きですか?

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いつのころからか、オレンジといった暖色が好きな色になった。

小学生のときは、自分も周りの友達も含めて水色が好きな人が多かったように思うが、あるときから暖色が好きになり、赤色もその一つになった。

赤色が好きになったきっかけは忘れたが、おそらく赤色の服が似合うと友人や家族が言ってくれたことがきっかけだったと思う。自分自身はあまり洋服に興味がないので、逆にそのアドバイスに従った。実際、黄色っぽい色や淡い色よりも、赤色の方が顔色が元気そうに見えるので、良いと思っている。

赤いものは好きですか?

さて、はてなブログ今週のお題「赤いもの」だという。

先述のとおり、私は赤い色が好きだ。ちょっとしたものを買うときについつい赤色を選んでしまう。買うかどうかは別としても、一回は赤色を選択肢として検討する。

例えば、冬用のコートは真っ赤だし、ペンケースも赤い模様の入ったシンプルなものを使っている。赤色のセーターやボトムスもあるので、冬はコートを着たときに全身真っ赤に見えないか注意する必要がある。なんなら、以前使っていた眼鏡も赤いフレームだった。

ちなみに、赤いコートは好きな色な上に、待ち合わせで人に見つけてもらいやすいので非常に便利ではある。

常に赤いものが好きですか?

しかし、よくよく考えると、色を選べるときにいつも赤を選ぶとは限らない。

例えば、スマホ(今はiphone 12 miniを使っている)には赤色もあったが、少々重く見えるタイプの赤だったのであえて薄緑を購入した。スマホはよく目にするものなので、できるだけ明るい色のものを使いたいと思ったからである。

それから、iPadのカバーも赤ではなく、薄い水色だ。単純に、赤い色で気に入ったデザインのものがなかったというのもあるのだが、それ以上に「ipadは赤でなくていい。シンプルな色がいい」と思ったからである。

そう考えると、私は常に赤なら何でも好きというわけではなく、そのモノが赤くしたいものであれば「赤いものが好き」なのかもしれない。赤くしたくないもの(スマホipadカバー)は赤があっても選ぶとは限らない。

実は、赤色のものをまとうことが好きなのでは?

では、赤くしたいものと、そうでないものの違いは何なのか。ふと考えてみると、私の身の回りで赤いものは「身にまとうもの」がほとんどだ。コート、洋服、眼鏡、実は社員証ケース(首からかけるやつ)まで赤い。

他方、小物は実はそこまで赤いわけではない。小物で赤いのはペンケース(柄部分)や印鑑ケース、フェイスタオルだ。ただ、ペンケースはどちらかというと白基調だから、赤い小物というよりは、赤で模様が入っている程度だし、印鑑ケースやフェイスタオルに至っては自分で買ったのではなくもらったものである。

すなわち、赤い色をまといたいという思いがあって、それで結果的に身にまとうものを中心に赤いものが集まっている状況なのかもしれない。さらに、冒頭に書いたように、それがそれなりに似合うので集めてもしっくりくる。結果的に、赤いものが増えて「私は赤いものが好きなのだ」という自覚を強く持つ。

なぜ赤色をまとたいのか?

そういえば、以前、好きな色で自分の心の状態が少しだけわかる、というような話を聞いたことがある。ググってみるといろいろなサイトが出てくるが、赤はエネルギッシュさと関係のある色だという印象。たしかに、試合ではない自分を磨く系の競争は好きだし、元気な方ではあるので、それで赤色に惹かれている可能性はある。

自分の気持ちの状態とあっている色というか、自分をよりエネルギッシュに、より意欲的な人間に見せてくれるような色として、お守りの様に身に着けていたいと思っているのかもしれない。

赤が好きな人の特徴
情熱的で感情的な性格。退屈を嫌い、チャレンジ精神旺盛でアクティブ。自己主張や競争心が強く、勉強や仕事にも意欲的に取り組むタイプ。
ただし、感情的になって周りが見えなくなることも…

 

色の好みでその人の性格や心理状態は大体わかる|モチラボ

やる気になっている時・元気がほしい時・自信を取り戻したい時・自分をアピールしたい時など、エネルギーが満ち溢れているか補給したい時に赤が好きになる人が多いです。

色彩心理学(色の効果と心身への影響) - カラーセラピーライフ

逆に小物は、私が使うものであっても、小物自体は私でないというか、私が使う道具に過ぎないので、その小物らしさや小物に求める雰囲気をまとってほしいと思うのかもしれない。スマホなら手軽なものであってほしいから薄緑、ipad(もっぱら勉強用に使う)は落ち着いて冷静な気分で使いたいから水色など。

赤色は自分にとってのラッキーカラーなのかも

今の自分の気持ちの状態を肯定的に捉えていて、よりそれを発揮したい、より自分らしさを醸し出したいという思いから、つい赤色をまといたいと思うのかもしれない。そうなると、小物を赤にするよりも、身につけるものを赤色にする方がよりオーラを醸し出しやすいし、色のもつ印象を自分がまといやすくなる気がする。

自分にとって、赤色は好きな色というより、好きな自分の状態をより強めることができる、ラッキーカラーに近いもののような気がする。だからこそ、より自分の状態やありたい姿、今の気持ちを表現できるように、身にまとうものに赤を取り入れたくなるのかもしれない。

好きな本10選

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はてなブログ10周年特別にのっかった記事、第2弾。

今回のお題は好きな◯◯10選ということで、そもそも○○に何を入れようかという話になる。このブログではもっぱら読書録を書いているので、その流れで好きな本10選を書こうと思う。

今回は10選であって、ランク付けではないので、3つのジャンルに分けて好きな本を合計10冊紹介したい(なお、お仕事の本は好きかどうかよりも役立ち度で評価してしまうので、今回は除外)。

ちょっと違う世界を覗こう…編

1. ホルモー六景

いきなり列挙したんがスピオフ作品。『鴨川ホルモー』のスピンオフで、本編や映画ではちょろっとしか触れられなかったエピソードや人物、さらには映画には盛り込まれなかったチームや試合まで登場。とかく、おもしろい。

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2. とっぴんぱらりの風太郎

ニート忍者の風太郎が主人公。伊賀で忍びとして生きるよう育てられた忍者達が、それぞれに信念を持って最期まで生き抜くストーリー。時間は全く異なるが、時代の流れとともに自分たち自身が淘汰される…という点は現代にも通じるのでは。好みはあると思うが、下巻のこの終わり方、悲しいけれども嫌いではない。

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3. サピエンス日本上陸 3万年前の大航海

我々の祖先であるホモ・サピエンスがどのように海を渡ったのか、台湾→与那国島を実際に船で渡って検証する(しかも限りなく旧石器時代に近い材質で)。その過程と結果も面白いのだが、特に興味深いのは「なぜホモ・サピエンスは航海をしたのか」という考察の中で、著者がホモ・サピエンスはやらなくてもいいことに情熱を注ぐ、不思議な存在」だからと述べたこと。事実、芸術や旅など、現代人も例に漏れない。好奇心こそ、実はホモ・サピエンスたる要素なのか。

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思考回路を殴られたような衝撃…編

自分にとってのコペルニクス的転回であり、衝撃的な内容であった本が該当。読書や死刑制度、堕落への見方が180度かわってしまった。

4. 読書について

読書は良いものと思われがちだが、実は他人の考えが頭を駆け巡っている状態であって、自分の頭で思索している状態ではない、との鋭いご指摘。ただ文章を読んでわかったつもりになるのでは無意味であり、思索をともなって初めて意義のある読書になるという。耳が痛いが、一周回ってむしろ痛快。

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5. 死刑執行人サンソン

死刑執行人視点でみるフランス革命と正義。最後にサンソンが、人は死刑執行人を蔑むのに、なぜ死刑を以って正義とするのか?と言っていたのが印象的。死を忌み、死刑執行人を差別するにもかかわらず、死刑をもって秩序を保つという矛盾。日本は数少ない死刑制度維持国だが、この矛盾を棚上げし、感情にまかせて議論が硬直しているように感じた。

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6. 死刑囚最後の日

死刑制度について、ひとつまえの『死刑執行人サンソン』とは少し違った観点から見つめている1冊。解説も含めて読むのがよい。復讐や罰はそもそも社会がなすべきものなのか、死刑によって罪人が物理的に死ぬことに加えて家族も社会的に死ぬことになるが、それは正義といえるのか等、考えさせられることが多い。

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7. 堕落論

欲するところを素直に欲し、嫌なものを嫌と素直に言う、というような赤裸々な心になれというのが筆者の「堕落しなければならぬ」の真意と理解。“武士道”のようなものを根拠に振りたくない首を縦に振るような生活は、本当にいいものかと問い直す機会になった本。

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さすが不朽の名作…編

主に有名な書籍や文学作品が該当。ハッとする考え方を授けてくれるだけでなく、執筆から長い時間を経ても価値がすりへるどころか、時代が変わっても通じる続ける考え方を示している。

8. 風姿花伝

能の理論書でありながら、現代の生活、仕事にも通じる内容ばかり。何かを極めたいのであれば、経験を重ねるだけでなく、怠けず奢らず励み続けることが重要であることや、年齢に応じてやるべきことを見極めることが大切と説く。

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9. 人間失格

読まなくてもタイトルだけ知っている人は多いのでは。タイトルにもなっている『人間失格』は、罪人ではなく、狂人、廃人として病院に送り込まれた=失格であり、個人的には予想外だった。

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10. 雁

はじまりもしなければ結ばれもしない切ない恋。岡田を目で追うお玉の感情が痛いほどわかる。気になる人のことを思い浮かべてつい着飾ってしまうもんなんだよね…。

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さて、つらつらと書いてきたが、人生経験つむにつれ好きな本は変わると思う。ときどき、自分のお気に入りの本や、その感想を見返してみるのもおもしろいかもしれない。

ひとまず、今回の本は、2021年時点の筆者の気に入りということで、残しておこうと思う。来年の今頃、この10選は変わっているのだろうか…笑

読書感想文含むツイートはこちらでもつぶやいているので、ご興味ある方は適宜フォローなさってください。得はしないとおもいますが、損もしないと思います。

 

「はてなブロガーに10の質問」

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はてなブログ10周年特別お題
はてなブロガーに10の質問
というテーマを見つけたので、のっかってみました。

なんか、こういう「独特な視点から自分を相手に知ってもらえる企画」って、のっかりたくなってしまうといいますか、結局自分はなんだかんだ注目されるの好きな人間なんだなとか改めて自覚させられます(笑)

ブログ名もしくはハンドルネームの由来は?

すきな果物の名前です。英語ではありません。

はてなブログを始めたきっかけは?

このブログは自分にとっては3つ目のブログになります。

最初にはてなブログ(このブログではない)を始めたのは、自分の感情や考えの吐き出し口として、Twitterでは字数が足りないと感じたことがきっかけです。

当時は、幸せなことも不幸なこともあったうえに生活環境が変わり、いろいろ考えすぎて頭がパンクしかけていました。そこで、思考の整理や記録を目的にはてなブログをはじめてみました。

その後、ブログを内容によって分けたいなと思ったことから、最初に立ち上げたブログを、別のブログ(趣味特化)と、このブログ(先の趣味以外のものは何でも書いていい)に分けることにしました。

自分で書いたお気に入りの1記事はある?あるならどんな記事?

個人的過ぎる、旅と夜の思い出を書いたこの記事です。角田光代さんの『幾千の夜、昨日の月』を読んだら、自分の旅×夜の思い出を振り返りたくなって書きました。

本当に、しょうもない思い出が書いてあります。

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ブログを書きたくなるのはどんなとき?

①覚えておきたいと思うような感情や考え、知識に出会った時

②仕事で、自分のスタイルを完全に封印した文章を書いている時期(ため込んだストレス発散)

③雨の日

下書きに保存された記事は何記事? あるならどんなテーマの記事?

下書きは空でした。

自分の記事を読み返すことはある?

ありますが、本文よりイントロをよみがち。
当時の自分の状況など振り返れて面白いです。

好きなはてなブロガーは?

ブログよりも本をよく読むので、お名前が浮かびません。

はてなブログに一言メッセージを伝えるなら?

私のしょうもない思考の吐き出し場として、大変重宝しております。
ありがとうございます。

10年前は何してた?

勉強しかしていませんでした。
当時の自分が今の自分の数学の忘れっぷりを見たら、泣くと思います。

この10年を一言でまとめると?

人生、計画しても、予定通りにいかないもんですわ。
でも、なるようになるもんですね。