2022年6月の読書録
先月よりも読書モチベーションが回復したので、通勤電車の時間を中心に小説を読んだ。怖いもの見たさで、少し込み入った人間関係の小説を読みがちだった印象。
6月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1225
ナイス数:31
ミスキャスト (講談社文庫)の感想
クソみたいな不倫男の、自惚れ満載な小説。これを買いたのが女性作家さんっていうのがすごいな…。不倫してる人ってこんなこと考えてるんかなと、なんかある意味新鮮な本だった…。
読了日:06月19日 著者:林 真理子
くまのむちゃうま日記 つくるか…オリジナルむちゃうま手帖付き特装版(1) (講談社キャラクターズA)の感想
ちいかわとかモグラコロッケは、ナガノさんのぶっ飛んだ発想を垣間見る作品、という感じだけど、こちらはナガノさんの嗜好全開でまた少し違っていて、それもそれで好き。コロナ禍にTwitterで投稿されていた作品が多めなのかな?自炊→時短料理・出前→自炊せず、になっていくのが面白かった。インパラたちの登場回かも。
読了日:06月22日 著者:ナガノ
ひそやかな花園 (講談社文庫)の感想
登場人物が、それぞれ全く違う悩みを抱えつつ、出生の事情を知り、受け入れる物語。それぞれの悩みは、なかなか打ち明けられなかったり、言語化できなかったりするもので、それ故に「共通の出生の事情」をいろいろな視点で見ることができるなあと感じた。さーちゃん、自分は悪くないのにいじめられていた過去があるから、成長しても、他人のせいにするクセが抜けなくて、わたしは苦手な子だなと思いつつも、なりたくてこうなったわけじゃないんだよなと、なんとも言えない苦い気持ちになった。
読了日:06月23日 著者:角田 光代
オードリー・タン 母の手記『成長戦争』 自分、そして世界との和解の感想
壮絶な育児記録だった。家庭が辛いとかそういう次元でなく、既存の制度や、その制度の中で生きるマジョリティからの意見も「辛い」状況で、李さんはどれだけの苦労をしたのだろう…と思った。ギフテッドの息子と、既存の教育制度の板挟みにあって、それでもなんとか状況を打開しようとする母の姿に、尊敬の念を抱いたし、手記を通じて戒厳令下の台湾における、管理主義的な側面も理解することができた。現代の日本も台湾も、まだルールや「伝統」を重んじすぎてネガティブな状況を生み出すことはあるけどね。
読了日:06月26日 著者:近藤 弥生子