読書録~看書便條~

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2022年8月の読書録

8月は夏休みということもあり、7月に比べると多くの本、とくに夏っぽい本を中心に読んだ。『向日葵の咲かない夏』や『深夜特急』は蒸し暑い夏を連想しながら読むのが楽しかった。

それから、8月はキャンプにも行ったので、ここで本を2冊一気読みした。曇天だし、日焼け止めも塗って、アームカバーもつけているし大丈夫だろうと思って、油断して読書に没頭したら、読了後、手の甲が見事に日焼けしていたのだった。

8月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:2250
ナイス数:127

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)感想
そう来たかーという設定あり。主人公同様、私も誰が犯人なんだろうって振り回されてしまった。物事をひとまとめにせず、あえて要素ごとに分解してみるって大切なのかも、と思った。
読了日:08月04日 著者:道尾 秀介


泣きたい夜の甘味処泣きたい夜の甘味処感想
ほっこりする…と思ったのは自分の心が割と元気な時に読んだからかも?何かに迷っている時に読むと、支えられる気持ちになるのかな。どのおやつも美味しそう。
読了日:08月05日 著者:中山 有香里


夜空に泳ぐチョコレートグラミー (新潮文庫)夜空に泳ぐチョコレートグラミー (新潮文庫)感想
「ここ」では生きられないと感じている人と、「ここ」で生きる人の物語。どちらが正解というわけではなく、どちらの場合も(読者から見ると)不幸に見えることも幸福に見えることもある。ここから出ていこうとする衝動を抑えたり、鼓舞したり、逆にここに留まろうとする執着を手放したり…主人公と同じパターンの人は少ないと思うけど、「ここ」に対する思いが主人公と同じ…という人はいるのでは。
読了日:08月09日 著者:町田 そのこ


星の子 (朝日文庫)星の子 (朝日文庫)感想
夏っぽく、今世間を騒がせている新興宗教も絡むので読んで見た。自分の病気をきっかけに親が入信、それが宗教なんて思うことなく主人公は成長するが、その家族の心配をするおじさん、家族に耐えられず失踪した姉、そんな家族から距離を置こうとする主人公の友人や先生たちなどが登場する。信者と、それが新興宗教であるとわかっている周りの人の狭間で、戸惑う主人公の描写がリアル。最後のところは、解説にも書いてあったけど、主人公一家が、家族としては崩壊していないのに、社会からは排除される生暖かい存在ぽいなあと感じた。
読了日:08月10日 著者:今村夏子


むりなく、むだなく、きげんよく 食と暮らしの88話 茶呑みめしむりなく、むだなく、きげんよく 食と暮らしの88話 茶呑みめし感想
女子会のお酒の出し方、つまみの出し方が一番面白かった。薬味多目がポイント。
読了日:08月16日 著者:大原 千鶴


【旧版】深夜特急1 ー 香港・マカオ (新潮文庫)【旧版】深夜特急1 ー 香港・マカオ (新潮文庫)感想
旅に出たくなる。カジノの観察ってなかなかないので面白かった。負けを取り戻すためについつい賭け続けてしまう心理が生々しく書いてあって面白かった。
読了日:08月19日 著者:沢木 耕太郎


憤死 (河出文庫)憤死 (河出文庫)感想
ちょっとゾクっとする、不思議だけど現実的な話。「憤死」が個人的には一番面白かった。本気で怒って、自分の命に八つ当たりして、そのおまけで死んでしまうのが憤死。ある意味、怒りの才能がないとできない技。
読了日:08月25日 著者:綿矢 りさ


大事なことほど小声でささやく (幻冬舎文庫)大事なことほど小声でささやく (幻冬舎文庫)感想
端的に言うと、ゴリマッチョなオカマバーのママが、ジム仲間の悩みを解決していく…と言うのが基本ジム仲間目線で描かれているストーリー。こう書くと、現実離れしてる感じがするけど「悩み」の内容はやけにリアル。歯医者さんの話が一番好きだった。カクテル言葉がメッセージって言うのは、別のバー絡みの漫画でも見た気がするけど、花言葉より親しみが湧く(花より団子ならぬ、花より酒な人間だからか…?)
読了日:08月25日 著者:森沢 明夫

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