カーボンプライシング
最近ホットになりつつあるカーボンプライシング。炭素(排出された二酸化炭素)に価格をつけて市場に流通させることだよね、程度の理解はしていたのだが、その説明を聞いていたらよくわからない部分もあったので調べて整理することにした。
その際、世銀が関連データをオープンデータとして公開しているようだったので、
カーボンプライシングのしくみ
まず、一番大きい枠組みはカーボンプライシングで、
カーボンプライシング自体の説明は省くが、一言で言えば炭素の価格付けであり、これによって二酸化炭素をはじめとする温室効果ガス(GHG)の排出コストが可視化されることになる。
排出量取引制度
排出権取引(cap-and-trade system)ともいわれるもので、
CAPによって、
炭素税
直接炭素価格を決定(
カーボンプライシングの実施状況
2021年時点で、64のカーボンプライシングが実施済み。
carbonpricingdashboard.worldbank.org
その他のカーボンプライシング
また、上記2つ以外にも、カーボンオフセットや、RBCF、
カーボンオフセット
プロジェクトまたはプログラムベースのGHG削減メカニズム(
この文章をかくきっかけにもなった「よくわからない部分」は、カーボンオフセットとカーボンクレジットの関係。カーボンオフセットのために取引をさせるのが、カーボンクレジットということのよう。つまり
カーボンオフセット→仕組みの名前
カーボンクレジット→仕組みの中で取引されるものの名前
ということらしい。
ちなみに、世銀によれば、カーボンクレジット市場は新型コロナ禍でも拡大していて、2020年は18,664のプロジェクトがあったそう。クレジットの発行数も77と、前年比10%増だった。
さらに、カーボンクレジットの取引はVerraやGold Standardといった第三セクターによるものの存在感が強いようだ。
RBCF
Results-Based Climate-Financeの略。ファンドアプローチ。
※そもそも、RBF(Result-Based Finance)というものがあり、
インターナショナルカーボンプライシング
組織が気候変動の影響、リスク、
まとめ
カーボンプライシングと一口に言っても方法や市場は様々。国際的な取引が可能なものもあれば社内取引されるものもある。
ひとつ気になったのは、世界で画一的な制度はなく、いろいろな国・地域がいろいろな規模間で制度を運営しているようであるということ。取引が活発になったら、このへん淘汰と統合が進んだりするのだろうか。