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カーボンプライシング

最近ホットになりつつあるカーボンプライシング。炭素(排出された二酸化炭素)に価格をつけて市場に流通させることだよね、程度の理解はしていたのだが、その説明を聞いていたらよくわからない部分もあったので調べて整理することにした。

その際、世銀が関連データをオープンデータとして公開しているようだったので、読むついでにまとめてみた。

www.worldbank.org

カーボンプライシングのしくみ

まず、一番大きい枠組みはカーボンプライシングで、これが主に排出量取引制度(ETS)炭素税(carbon tax)にわけられる。

カーボンプライシング自体の説明は省くが、一言で言えば炭素の価格付けであり、これによって二酸化炭素をはじめとする温室効果ガス(GHG)の排出コストが可視化されることになる。

排出量取引制度

排出権取引(cap-and-trade system)ともいわれるもので、全体のGHG排出量の上限を定め(cap)、使い切らなかった排出枠(排出権)を売買できるしみ。排出権の需要と供給をつくることで、GHG排出価格(市場価格)がうまれる。

CAPによって、あらかじめ必要なGHG削減量が明確になることで、排出者が事前に分配された炭素予算(Carbon budget)以内に排出量をとどめるようになる。

炭素税

直接炭素価格を決定(GHG排出量または化石燃料に含まれる炭素に基づき定義)。炭素税に基づきどの程度のGHG削減がされるか事前に予測しにくが、炭素価格はあらかじめ決まるというしくみ。

カーボンプライシングの実施状況

2021年時点で、64のカーボンプライシングが実施済み。11.65GtCO2e(=世界全体のGHG排出の21.5%に相当)のGHGがカバーされている。

carbonpricingdashboard.worldbank.org

その他のカーボンプライシング

また、上記2つ以外にも、カーボンオフセットや、RBCFインターナルカーボンプライシングがある。

カーボンオフセット

プロジェクトまたはプログラムベースのGHG削減メカニズム(国内外取引可能)。オフセットされたプログラムはカーボンクレジットを発行する。

この文章をかくきっかけにもなった「よくわからない部分」は、カーボンオフセットとカーボンクレジットの関係。カーボンオフセットのために取引をさせるのが、カーボンクレジットということのよう。つまり

カーボンオフセット→仕組みの名前
カーボンクレジット→仕組みの中で取引されるものの名前
ということらしい。

ちなみに、世銀によれば、カーボンクレジット市場は新型コロナ禍でも拡大していて、2020年は18,664のプロジェクトがあったそう。クレジットの発行数も77と、前年比10%増だった。

さらに、カーボンクレジットの取引はVerraやGold Standardといった第三セクターによるものの存在感が強いようだ。

verra.org

www.goldstandard.org

RBCF

Results-Based Climate-Financeの略。ファンドアプローチ。事前に決められた気候変動対応に関する成果(排出削減など)が実行・証明された際に支払いがなされるしくみ。 多くのRBCFは検証済みのGHG排出量を購入することと同時に、貧困の削減、クリーンエネルギーへのアクセス改善、健康と地域社会への利益提供を目的としている。

※そもそも、RBF(Result-Based Finance)というものがあり、投資家又はドナーから依頼者に対して、事前に合意した結果への達成度に応じて支払いがなされるしくみ。RBCFは気候変動緩和と対応に特化したアウトプットに対して提供される支払い、と考えればよい。

2017年のものだが、RBCFに焦点を絞ったレポートもある。

インターナショナルカーボンプライシング

組織が気候変動の影響、リスク、および機会に関連する意思決定プロセスを導くために社内で使用するツール

まとめ

カーボンプライシングと一口に言っても方法や市場は様々。国際的な取引が可能なものもあれば社内取引されるものもある。

ひとつ気になったのは、世界で画一的な制度はなく、いろいろな国・地域がいろいろな規模間で制度を運営しているようであるということ。取引が活発になったら、このへん淘汰と統合が進んだりするのだろうか。