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【読書録】東大白熱ゼミ 国際政治の授業

今回読んだ本は『東大白熱ゼミ 国際政治の授業』。
政治についてちょっと勉強した方がいいなと思い、入門書という位置づけで手に取った(Kindle Ulimited対象)。

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概要

目次を見るのが良いと思うが、政治とは何か、ゼミ形式(対話調)で説明が進む。
歴史や外交交渉を例に挙げてくれるのでイメージがつきやすい。

印象に残った点

以下は、メモに残した部分を引用しつつ、思ったことを記載していく。

政治とは何か?

どんなに文明が進歩したところで、すべての人間を満足させることは不可能だと言える。そこで、人間同士の間でお金や地位や名誉に関する対立を調整したり、取り引きしたり、ときには力ずくで闘ったりする営みが必要となってくる。 この営みこそ、「政治」と呼ばれるものだと、僕は考えている。

経済学では金(利益)とか効用が取引の対象になるが、地位や名誉が出てくるのがいかにも政治学だなあと思った。経済が資源の分配と効率的な活用を行う営みであるのに対して、政治はお金や地位、名誉、利害など、数字に表しにくいものや見えにくいものを取引(ときには戦いを伴う)を行うといういみで、別物なんだな。
なお、ロバート・ダールという政治学者は、政治を「権力、ルール、権威を含む関係全般」と捉えたという。権力と権威は似ているが、

「権威」による自発的な服従が難しくなれば、「権力」という強制的な力に頼らざるを得なくなる。

どちらかというと権力の方が乱暴に使われる印象。権威はまとうものだけど、権力は発動させるものという印象を抱いた。

国際政治とは何か?

国内では国ごとに法律やルールがあり(機能しているかは別問題だが)、それに従って統治がなされる。しかし、国際社会に目を向けると、必ずしもすべてのルールを共有しているわけではない。

国内政治がひとつの秩序のもとでの法に基づく政治であるのに対し、国際政治は無秩序のなかでの力による政治である。

国家とは何か?

かの有名なリヴァイアサンについての説明も本書に含まれている。

絶対的な権力である主権を持つ国家しか「暴力の行使」(警察や裁判所による公権力の行使)ができなくなるから、必然的に「万人の万人に対する闘い」は起こらず、平和で安定した秩序が保たれるようになる、というわけだ。

人々は自分の命を守る「自然権」を保護してもらうために、その権利を国家に預け(社会契約)、国家が権利を保障し、人民は国家に服従する関係が望ましいと説いた。ちなみにリヴァイアサンは怪獣の名前で、社会契約によって成立した、絶対的存在である「国家」を象徴している。

ただし、国家が万能なのかというと、実際には杉原千畝さんの「命のビザ」のように、国家と個人と国際社会に矛盾が生じる場面もある

そこには、個人、国家、国際社会という三者の間の相克が見て取れる。つまり、 国境を越えた地球・人類社会の普遍的な価値と、主権国家の価値や利益の衝突とその間におかれた人間の葛藤
(略)
国家という枠組みを超える普遍的価値の大切さ、すなわち人道的視点に立った正義も決して無視はできないということだ。

安全保障

まず用語の整理から。これは勉強になった。

これ、よく「集団防衛」や「集団的自衛権」と混同されることがあるけれど、外的脅威に対して関係諸国が一致結束して戦う集団的自衛権とは異なって、内部のルール破りや反乱者に対してその他すべての諸国が一致結束して戦うことで平和を維持するのが「集団安全保障」というシステムなんだ。

安全保障において、武器(核兵器など)を相手が持っていた場合、相手の意志(武器を使う意思があるか、攻撃するつもりがあるかなど)と、能力(武器の性能、数)に注目をする必要がある。特に後者は客観的指標として有用。

「意思」は主観的であり、一夜で変わるし、嘘もつける。ところが、「能力」は客観的であり、変化を含め正確に把握することが可能である。 そういう意味で、「安全保障のジレンマ」においては、相手国の「意思」にかかわらず、相手国の「能力」の変化にとりわけ目が向けられるというわけだ。

おわりに

この本を読むと、政治や外交はまさに世界全体で最適な方法を目指して模索中であり、すぐに国際平和が訪れるわけではなさそうだなあと思った。ただ、無理そうでもここであきらめるのはちがうかなという気もした。

この目標を放棄すべきでは決してない。なぜなら、 僕ら人間は、それが実現できるか否かとは関係なく、 それが目指すべき理想である以上、 そのために努力することが人間としての使命だということを知っているからだ。

平和は、できないから目指さないのではなく、できるできないに関係なく追求するものだよなあと思う。