【読書録】憤死
はてなブログの「今週のお題」として、最近読んで面白かった本をご紹介(第2弾)。
今回は綿矢りささんの『憤死』をご紹介。
出版社 : 河出書房新社
発売日 : 2015/3/6
概要
短編集。タイトルの『憤死』は短編集のうちのひとつ。語り手が、友人のお見舞いに行くところから物語が始まる。
感想(ネタバレ含む)
タイトルになるだけあって「憤死」が一番おもしろかった。この「おもしろさ」というのはぞくぞくする面白さと言ったらいいだろうか。
本気で怒って、自分の命に八つ当たりして、そのおまけで死んでしまうのが憤死なのだという。怒りの発作で死んでしまう、とでも言えばいいのだろか。怒りの才能がないとできない技だなとも思い、よく思いつくなあとため息が出てしまった。
自分に怒りの才能がない人が、果たして「憤死」の登場人物のような行動を思い描き、描写できるだろうか。少なくとも私はできない。だからこそ、できる人が書いた小説を読んでその境地を理解する...読書ならではの「自分では体験できない状況」に浸れる、最高な本だと思った。
最初にふれる綿矢りささんの作品としても読みやすいかも。
ちなみに、最近読んで面白かった本の第1弾もあるので、よしなに。