読書録~看書便條~

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大事なことほど小声でささやく

今週のお題は「最近おもしろかった本」とのこと。何冊か本を読んだが、そのなかで面白い!と思ったものを紹介したい。

今回は、森沢明夫さんの「大事なことほど小声でささやく」をピックアップ。

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概要

ゴリマッチョなバーの「ママ」が、ジム仲間の悩みを解決していく…と言うもの。主語は「ママ」だったり、「ママ」のジム仲間だったりする。

「ママ」のキャラクターがあまりにも濃いので、こんな人現実にいないよ~と思うかもしれないが、「ママ」やジム仲間が抱える「悩み」の内容はとても現実的。

娘の夢を応援したいが複雑な思いを抱く父親、世代が二回り近く違う部下との接し方がわからない管理職、家族の死をきっかけについ表情をつくるようになってしまった...など、自分や、自分の周りにこういう人はいないだろうか。

感想

この本の「おもしろさ」は、ゲラゲラ笑うようなものではなく、自分や周りの人が感じているけれども、なかなか言語化できなかったり、うまくかみ砕いて消化できない気持ちを、文字を負いながら整理できるところだとおもう。そして、「ママ」のささやきをきっかけにジム仲間がちょっと視点を変えたり、自分をふりかえってたりして、物事が動いていく。

ささやきの内容もいいのだけど、個人的には、ジム仲間やママの葛藤を読んで「ああ、わかる~~」とか「自分もこういう悩みをいつか抱くのかな」と、思えるところが面白かった。自分とは性別も、家族構成も、職業も、年齢もちがう別の誰か、でも身近にいそうな人の人生を覗いて、体験しているような感覚に浸れる。

ちなみに、個人的には歯医者さんの話が一番好きだった。

今回紹介した本

出版社 ‏ :  幻冬舎

発売日 ‏ :  2015/8/5

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