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野菜と果物の境界なんて、人間の都合なんだ…

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植物にまつわる本を読んだので、2冊まとめて読書録を書きたいと思う。いずれも同じ方の著書。

  • 『世界史を大きく動かした植物』

  • 『面白くて眠れなくなる植物学』

まず、『世界史を大きく動かした植物』では、胡椒、茶、砂糖など、世界史でも貿易(や戦争)を引き起こした有名な植物を取り上げ、どのようにして世界に広まり、広まった結果何をもたらしたのかを説明している。

人間はトウモロコシからできている!?

特に、おもしろいと思ったのはトウモロコシ。世界史ではそこまで取り上げられないし、日常的に食べるイメージもない。しかし、実は、日本に住んでいる我々が「よく食べる」と思っているスイートコーンは特殊(糖が澱粉にならない変異種)なものであり、世界にはあれほどの甘みを持たない品種も存在しているという。そして、そういったトウモロコシが、甘味料や難消化デキストリンに形を変え、時には飼料となり、私たちの口に直接または間接的に入っているという(ほかにもバイオ燃料とか、用途は山ほどある)。マヤの人々が「人間はトウモロコシからできた」と信じていたというが、トウモロコシがもはや人間にとって欠かせないものになっているという意味で、あながち間違いでもないかもしれない。

そして、人間に多様な用途で利用されているトウモロコシ、一見すると人間がトウモロコシを活用しているようにみえるが、これもトウモロコシの生存戦略だったりして。我々が植物を利用するとき、我々もまた植物に利用されているのかもしれない。

辛いもの⇒脳内モルヒネ分泌⇒快感

もう一つ面白いと思ったのは、唐辛子。そもそも、人間の味覚に「辛い」というものはなく、辛みというのは痛みらしい。それなのに、なぜ、辛いものは美味しいと感じてしまうのか。

厳密にいうと、辛い物をおいしいと感じているのではなく、辛いものを食べることによって快感を感じるような体の仕組みがあるようだ。辛いものを食べて「美味い」と思うのはカプサイシンを摂取した時に出てくる「脳内モルヒネ」なる成分が分泌されて病みつきになるという。

 

続いて、『面白くて眠れなくなる植物学』。1冊目は世界史を動かしただけあって、口に入る植物が多いが、こちらの本ではもう少し幅広い植物に目が向けられている。

野菜と果物は、人間の都合

中学校の理科で習う双子葉類と単子葉類、それから裸子植物被子植物。あのときは植物にはこういう種類があるという、事実の丸暗記をしただけだったが、今回の本を読むと、植物が環境に応じて2種類に分かれたことが分かった(詳しくは本を読んだ方が良い)。

また、草と木、野菜と果物、のように人間がつくった植物の分類があるが、これも植物にとっては臨機応変に生きた結果その形になっただけのことであり、最初からこのカテゴリーに当てはめられようとは考えていないのである。

例えば、バナナは果物と思われているが、あれはバナナの木ではなく、草だという。他方、日本では木になるものは果物、草になるものは野菜という分類があり、イチゴやメロン、スイカは野菜になるという(注)。

(注)本書でも解説されているが、日本では野菜と果物は、上述の「木になるか、草になるか」に加えて、一年生か多年生かという点も含めて定義されている。

概ね2年以上栽培する草本植物及び木本植物であって、果実を食用とするものを「果樹」として取り扱っています。
従って、一般的にはくだものとは呼ばれていないと思われる栗や梅などを果樹としている一方で、くだものと呼ばれることのあるメロンやイチゴ、スイカ(いずれも一年生草本植物)などは野菜として取り扱っています。

(出所)果樹とは:農林水産省

本書にもあるが、トマトは野菜か果物か、という論争がかつてはあったらしい(関税が変わるためらしい)。しかし、その分類は植物にとってはどうでもよいことであり、そもそも植物は人間と同じ基準で生きていないということを改めて思い知らされた。