【読書録】26文字のラブレター
今回読んだ本は『26文字のラブレター』。
ラブレターといいつつも、内容は相手に告白する手紙とは限らず、恋がテーマの都々逸が紹介されている。
概要
「都々逸」とは、7,7,7,5の26文字からなる言葉。
都々逸という名詞を知らなくても、「ざんぎり頭を叩いてみれば文明開花の音がする」や「恋に焦がれて鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす」を聞いたことがある人は多いのでは。独特のリズム感に加え、実は韻を踏んでいたり、掛詞があったりと、ことば遊びのようでおもしろい。
ちなみに「恋に焦がれて鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす」は詠み人知らずであるということに個人的に驚いた。
ちなみに完全に余談だが、この都々逸を知ったのは以下の動画。
東大生の恋愛偏差値は?リア王~恋愛知識No.1決定戦~ - YouTube
感想
言葉遊びの要素があると感じたのは、「澄んできこえる待つ夜の鐘はこんと鳴るのがにくらしい」というもの、この「こん」は擬音語でもあり「来ん(=来ない)」にも聞こえるというのが面白い。
それから「君は吉野の千本桜 色香よけれどきが多い」という都々逸。この「き」は木と気をかけているようで、いかにも言葉遊びといった感じ(だから、あえてひらがなになっているのもいい)。
おもしろさ抜きで、個人的に好きだと思ったのは
「惚れてこがれた甲斐ない今宵 会えばくだらぬことばかり」
という都々逸(詠み人知らず)。わかりみいが深い…。
相手を想う夜、悲しみに耽る夜など、いろいろな場面で詠まれた都々逸が収録されているが、どれも語呂良く、素敵なものばかりだった。
「ざんぎり頭を叩いてみれば文明開花の音がする」は聞いたことがあったけど、これを都々逸(どどいつ)ということは知らなかった。独特のリズム感があって、実は韻を踏んでいたり、掛詞になっていたり、ことば遊びみたいで面白い。
— oαk (@83greentea) 2021年9月3日
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