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【読書録】かんたん解説!! 1時間でわかる 太陽光発電ビジネス入門 (NEXTPUBLISHING)

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最近話題のサーキュラーエコノミーやカーボンニュートラルについて勉強せねばと思っていたところ、ちょうど電力回りの知識を収集する必要がでてきたので、読書録をば。

今回読んだのは以下の書籍。

nextpublishing.jp

タイトルのとおり、だいたい1時間くらいで、太陽光発電ビジネスの概要が理解できます。そこまで難しい言葉遣いもないので、発電・電力・インフラに詳しくない自分でもスムースに読めました。

以下、メモです。

 

<目次>

  

基礎知識

太陽電池とモジュール

モジュール:太陽電池セルとよばれる小さな板をつなぎあわせたもの。モジュールを組み合わせたものはアレイと呼ぶ。通称太陽光パネル太陽光発電協会さんの説明がわかりやすい。

(参考)太陽電池とは |太陽光発電基礎知識|JPEA 太陽光発電協会

 

モジュールの構造は大きく分けて3種類

  • スーパーストレート構造(防水性に優れる)
  • サブストレート構造(軽量)
  • ガラスパッケージ構造(建材用として多く使われる)

(参考)太陽電池モジュールの構造 | 太陽光発電の仕組み

 

発電のシステム

太陽光発電システムは、住宅用(10kW未満)と公共・産業用(10kW以上)に大別される。

住宅用:モジュール、接続箱、PCS、分電盤、電力量計、モニタ

公共・産業用:①系統連系型システムと、②独立型システムに大別。

(参考)太陽光発電の「独立型」と「系統連系型」 どんな特徴がある? | 太陽光発電システムの専門商社 ソーラーデポ

 

注:PCSとはパワーコンディショナのこと。太陽電池で発電された直流電力を交流電力に変換する。交流電力は、いわば我々がコンセントから利用している電気のようなもの(浅い理解)。下記サイトがわかりやすく説明をしてくれている。

(参考)太陽光発電のACとDCってなに?意外と知らない電気の直流と交流

 

発電をはかる言葉の定義

公称最大出力:JIS規格基づく、モジュール1枚分の最大出力(発電量)

太陽電池のシステム容量太陽電池モジュールの公称最大出力量の合計値。

発電出力:単位時間当たりの発電エネルギー量。よく使う単位はkW(1000W)。

発電量:ある期間内に発電したエネルギー量。よく使う単位はkWh。

変換効率/発電効率太陽電池が受け取った光エネルギーを電気エネルギーに変換する割合。セル単位とモジュール単位がある。

設備利用率:その発電設備が一定期間に100%の出力で発電を続けた場合に得られる電力量に対して、実際に得られた電力量の合計。

 

太陽電池のシステム

シリコン系:さらに4つに分類される。現在最も普及している。

化合物系:シリコン以外の物質を組み合わせた太陽電池。さらに4つに分類される。

有機:次世代型太陽光発電システムとして期待されている。さらに2種類に分類される。

量子ドット:量子ドットという非常に小さい半導体を使用。理論上他の太陽電池よりも変換効率が圧倒的に高い。ただし現在は実用化に向けて様々な課題がある。

(参考)

NEDO再生可能エネルギー技術白書」P.7、https://www.nedo.go.jp/content/100544817.pdf

有機系太陽電池 | 太陽光発電の仕組み

NEDO「『量子ドット』は高効率太陽電池の切り札か(米国) 」、https://www.nedo.go.jp/content/100105578.pdf

 

日本における取組

日本における太陽光発電の普及

地域別太陽光発電→日照時間と快晴日数率により、国内でも異なる。東日本や太平洋側は日照時間が短い傾向。データを見ると、九州の普及率が高い。

ちなみに、太陽光発電設備を有する住宅数は上昇中で、2016年時点で約219万戸。

(参考)総務省統計局「全国消費者実態調査 結果ニュース」

https://www.stat.go.jp/data/zensho/2014/pdf/h26news.pdf

 

太陽光発電に対する日本の取り組み

PV2030とPV2030+:太陽光発電ロードマップ

太陽光発電の加速的普及と、解決すべき課題やシナリオの明確化が目的。

2004年のPV2030を見直したPV2030+を2009年に発表。PV2030+とあるが、PV2030+では、2050年までに1次エネルギー需要の5~10%を太陽光発電で賄うと想定して2050年までを見据えたロードマップ。

(参考)新エネルギー・産業技術総合開発機構

「太陽光発電ロードマップ(PV2030+)」を公開 | NEDO

 

FIT(Feed In Tarif):固定価格買い取り制度

太陽光などで発電された電力を通常価格よりも高い価格で買い取る制度(しかも長期で)。日本では2009年の余剰電力買い取り制度から、2012年にFITに移行。2017年には改正FIT法が施行された。太陽光をふくむ、5つの再生可能エネルギーが対象。

ちなみに、スペイン、ドイツ、フランス、イタリアなどの欧州各国でも導入が進んでいる。

(参考)経済産業省

制度の概要|固定価格買取制度|なっとく!再生可能エネルギー

 

再生可能エネルギー発電効率

発電方法によって異なる。

一般的な太陽光発電システムでは約20%(思ったよりも少ない…)。ただし、太陽光発電は天候に左右されるため、日本における平均的な設備利用率は12%程度(これまた思った以上に少ない…)。

 

その他の再生可能エネルギー発電効率

風力発電:最大60%程度。

バイオマス発電:20%程度。

地熱発電:10~20%程度。

水力発電:80%。水の位置エネルギーを全て活用できるため。

ちなみに、IEA(2020年6月)によれば、容量・発電量共に足元でもっとも利用されている再生可能エネルギー水力発電

(参考)IEA

www.iea.org

 

感想とメモ

  • 思ったよりも太陽光発電の発で能率は低い(風力も然り)。よく考えたら夜間の発電ができないという意味で、天候の制約をかなり強く受けてしまう発電方法だなあと気付かされた。
  • 太陽電池にもいろいろな種類がある。住宅用と公共・産業用で異なる。
  • 資料探しは、公的機関であればNEDO総務省(普及状況とかみるのによい)、IEAあたりがでてきた。ほかにも世銀とかOECDとかも色々出してた(メモにはしなかったが)。

 

まとまっているようでまとまっていませんが、今回はこの辺で。