読書録~看書便條~

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2021年3月の読書録

 

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総括

3月の読書メーター
読んだ本の数:14
読んだページ数:2879
ナイス数:27

 

今月の個人的ベストは安達正勝さんの『死刑執行人サンソン』。

『物語 フランス革命』も甲乙つけがたいくらいい本だったのだが、前者は死刑制度とそれが存在する社会に生きる市民の、死刑に対する見方、死刑執行人に対する見方を突き付けてくれる、という歴史にとどまらない新しい視点をもたらしてくれたので、1位。

これまで、アジア関連の本をメインに読んできたけれど、アジアも当時のフランスも、自由を求めているという点では共通していて、我ながらなぜ今まで読まなかったのか、と不思議に思った。

 

読書録



相対化する知性 人工知能が世界の見方をどう変えるのか相対化する知性 人工知能が世界の見方をどう変えるのか感想
ディープラーニングについての説明がわかりやすかった。後半は結構哲学的な内容だった印象。
読了日:03月28日 著者:西山 圭太,松尾 豊,小林 慶一郎

 
WTO法―実務・ケース・政策WTO法―実務・ケース・政策
読了日:03月25日 著者:滝川 敏明

 

 
物語 フランス革命―バスチーユ陥落からナポレオン戴冠まで (中公新書)物語 フランス革命―バスチーユ陥落からナポレオン戴冠まで (中公新書)感想
フランス革命の意義と、実は取りこぼされた視点を知ることができる。歴史の話は本を読めばわかるので、個人的に印書に残った点を挙げると、フランス革命の中で作られた「人権宣言」は、法の下では人は平等であると言いつつ、「人」から女性は排除されており、選挙権もなかった。革命には女性も参加したのに、徐々に民衆優位になると「女性は家庭に戻れ」という風潮が生まれるという矛盾があった。また、フランスはその後ベトナムを植民地にするのだが、ベトナム独立時に人権宣言を突きつけられるというエピソードが特大ブーメランだなとも思った。
読了日:03月21日 著者:安達 正勝

 
死刑執行人サンソン ―国王ルイ十六世の首を刎ねた男 (集英社新書)死刑執行人サンソン ―国王ルイ十六世の首を刎ねた男 (集英社新書)感想
死刑執行人からみたフランス革命と法を綴っている。内容もそうなのだが、まるでサンソン自らが書いたかのような文章で寝るのを忘れて読んでしまった。最後にサンソンが、人は死刑執行人を蔑むのに、なぜ死刑を以って正義とするのか?と言っていたのを聞いて、死刑制度への見方が根本的に変わった。死を忌み、死刑執行人を差別するのならば、死刑をもって秩序を保つというのはどう考えても矛盾。ただ、その視点が死刑制度をめぐる議論から欠落しているように思える。ちなみにこの本、舞台化するらしく、ヘビーなテーマだが絶対見にいきたいところ…。
読了日:03月19日 著者:安達 正勝

 
Grief: An Emotional Roller CoasterGrief: An Emotional Roller Coaster感想
グリーフとはジェットコースターのようなもので、①気持ちが上り坂もあればものすごい勢いで下るような時もあるし、平坦で落ち着いた時もあるもので、②みんなで乗っていても、反応は人それぞれだという。自分の経験を振り返ってみても、ある出来事に対して、自分と周りの人が見せた反応は少しずつ違っていたなと思う。グリーフとは、与えてあげられなかった、行き場を失った愛なんだよ、というメッセージが個人的には好き。
読了日:03月17日 著者:Keith Click

 
カラスはずる賢い、ハトは頭が悪い、サメは狂暴、イルカは温厚って本当か?カラスはずる賢い、ハトは頭が悪い、サメは狂暴、イルカは温厚って本当か?感想
人間は自分たちの価値尺度と、行動でもって動物の特徴を決めがち。さまざまな生き物について「なぜそうなったのか」と「人間の抱くイメージは本当か?」を紐解く本だが、結果として人間の認知と価値によって動物(カラスとか、マンボウとか)のイメージがいかに歪んでいるかに気付かされる。あと、作者の語調が適度に緩いので読みやすい。
読了日:03月14日 著者:松原 始

 
WTO入門WTO入門感想
専門的内容が素人にもわかりやすく説明されている本。だいぶ前の本なので数字やルールの内容は古いが、基礎を押さえるには良い。序章にも書いてあったけど、この分野について、企業や国民に対する影響を示している本はあまり多くない印象を持っている。法律の専門家がこの分野をフォローしていて、どうしてもアカデミックな価値が強調されがちというのもあるのだろう。ただ、本書ではアカデミック分野の専門家もわかりやすくWTOについて説明してくれている。個人の主観だが、入門書としては『WTOFTA法入門』に並ぶおすすめ本。
読了日:03月13日 

 
よくわかるM&A (入門マネジメント&ストラテジー)よくわかるM&A (入門マネジメント&ストラテジー)
読了日:03月10日 著者:トーマツトータルサービス部

 

 
天上の飲み物天上の飲み物
読了日:03月07日 著者:三浦しをん

 

 
月の裏に望む月の裏に望む感想
アケミさんが素敵だなあ…彼女を主語にした話はあまりなかったのだが、ちょっとかわいそうな形で失恋“してしまった”感じで、幸せになって欲しいなあと思うし、キクチ部長みたいな人いるよね、とも思った。それにしても…みんなで会う順番が少し違ったらよかったんじゃないかなぁ…といい意味でモヤモヤさせてくれる本だった。自分が他人の人間関係に巻き込まれるのは嫌いだけど、傍観するのは嫌いじゃない、って人はこの本好きそう。
読了日:03月07日 著者:ことわ荒太

 
グリーフケアグリーフケア感想
グリーフ(深い悲しみ)はとても個人的なもので、それゆえに回復方法も人それぞれということがよくわかった。また、グリーフケアはさまざまな段階があるようで、公益社のみで対応するのが難しい部分もあり、そういうところはNPOが活躍できる場なのではとも思った。マスに働きかけるような行政には性質的にできない仕事だし、かといって民間企業のように利益を上げられるかと言えば今は難しい。グリーフを乗り越えた人が「誰かのために活動したい」という場を作るという意味でもNPO活躍の余地ありという印象。

 
読了日:03月07日 著者:古内 耕太郎,坂口 幸弘
The Prince (Penguin Classics)The Prince (Penguin Classics)感想
もしかしたら出版社が違うかも。日本語で読んでも難しそうだから、英語で読んでみるかと思ったら、そんな気軽に読めるもんでもなく、理解度は半分いってるかいってないかくらい。ざっくりとした理解ではあるが、君主は運や他人に頼るのではなく自分の軍隊(=国の軍隊)を持たないといけないよね、ということが主張されていた…と思う。
読了日:03月06日 著者:Niccolo Machiavelli

 
最後は臼が笑う最後は臼が笑う感想
臼ってそういうことかあ…
読了日:03月03日 著者:森 絵都

 
サイバーファースト 増補改訂版 インターネット遺伝子が創るデジタルとリアルの逆転経済 (#xtech-books(NextPublishing))サイバーファースト 増補改訂版 インターネット遺伝子が創るデジタルとリアルの逆転経済 (#xtech-books(NextPublishing))感想
うーん、全体的にすごく読みにくい本だった。自分の頭が足りないのかもしれないけど…。わざわざ「遺伝子」を持ち出してデジタルを説明する必要性がわからなかったのと、文中に括弧が多すぎてすらすら読めないのがストレスフルだった…。
読了日:03月03日 著者:江﨑 浩

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