読書録~看書便條~

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営業日と貿易統計

本題記事の1発目から、いきなりマニアックですが、貿易統計について。

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要点 

  • 一か月に何日営業日があるかによって、貿易データに差が生じてしまうため、前年同月比のデータを比較する際に考慮する必要が出てくる。
  • ただし、これは通関ベースの統計のみで、国際収支ベースでは”例外を除き基本は”季節調整値となっているので、そこまで留意する必要はない。
  • 「例外」は旧正月

 

輸出

基本的には、あまり曜日の制約を受けない。

貨物の流れは、保税地域に搬入→輸出申告書等を税関に提出→許可を受けたら「外国貨物」扱い→船積み。

この船出港日に、輸出額として計上される。出港日は土日祝日でもよいので、あまり曜日の影響は受けない。

 

輸入

曜日の制約を受ける。

貨物の流れは、船舶や航空機から貨物を下ろす→保税地域に搬入→輸入(納税)申告書等を税関に提出して申告→貨物について所定の検査を受ける→関税等を納入して輸入許可を得る。税関から輸入許可を得た時点で輸入額に計上される。

税関は平日のみしかあいていないので、曜日の影響を受ける(ただし、生鮮食品は臨時開庁承認申請書」等を利用し、休日にも輸入許可を得ることが可能)。

※国際収支ベースの場合、季節調整方法として曜日等も調整する方法がとられているため、留意する必要はない。

 

旧正月マター

アジア向けの貨物は旧正月の時期に留意する必要がある。

約1週間休日になり経済活動が停滞するため、貿易も大きく減少する。

また、年によって祝日がずれることから、季節調整値での調整も難しい。

例えば、台湾の旧正月

2019年:2月4日~10日

2020年:1月23日~29日

2021年:2月10日~16日

 

参考文献

日本銀行国際収支統計研究会『入門国際収支―統計の見方・使い方と実践的活用法』2000年、東洋経済新報社