読書録~看書便條~

読書録ブログです。小説、趣味、仕事の本などいろいろ。Kindle Unlimitedにお世話になっています。

【読書録】北欧こじらせ日記

最近インスタで、チカさんというフィンランド大好きな方をフォローしている。

www.instagram.com

私は北欧に行ったことはないのだが、個人的に1つだけ、のめりこむように好きな国があるので、チカさんのオタクぶりに共感できるところがある。そしてなにより、イラストが素朴で可愛いため、フォローして以降、更新される都度、投稿を拝見している。

そんなチカさんの、フィンランドオタクになるまでと、寿司職人を目指すまでの経緯がまとまっている本をKindle Unlimitedで見つけた。ここまで読んで「寿司職人!?」と思った人は、この本かチカさんのインスタを見ましょう。

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51jeAEhnYoL._SX344_BO1,204,203,200_.jpg

北欧こじらせ日記 | 週末北欧部chika |本 | 通販 | Amazon

インスタ同様、とにかくイラストが素朴で可愛くて、こんな世界観で生きたい!と思わせるようなほっこりした雰囲気があふれるだった。ちなみに、ほっこりしてるけどチカさん、お仕事や恋愛ではなかなかハードな経験もなさったことがあるようで…ますます筆者を応援したくなった。

なお、この本の中で、チカさんおすすめのフィンランド音楽(全てSpotifyで聞くことが可能)が紹介されているので、そのページ以降は、おすすめ音楽を聴きながら本を読んだ。例えば以下。これで、シナモンロールがあったら完ぺきだったのかなあ。

open.spotify.com

また、イラストが好きすぎて、読了後、LINEスタンプまでかってしまった。私はちょうど逆流性食道炎療養中なので、「胃が弱い」とかすごく使えそう...。

store.line.me

 

読書録メインのブログに変更します。

この度は、掲題のとおり、ブログの方針を少し変更しようと思い、そのご報告をいたします。

このブログ、当初は調べものや読書をして、これは忘れたくないな、と思ったことをメモのようにまとめて残す場所として作成しました。

mang2guo3.hatenablog.com

ただ、最近、あまりに読書の割合が高くなったことから、読書録メインのブログに変更しようと思います。また、当初のコンセプトにあった「調べもの」については、引き続きしてはいるのですが、仕事の内容が少し変わって、調べものの性質というか、賞味期限というか、スピード感が変わってしまったこともあり、ブログに残すには少し相性が悪いなと思ったこともひとつです。

そんなわけで、タイトルも、読書録色を前面に押し出したタイトルにいたしました。ちなみに、

看書=読書

便條=メモ

という意味です。

ちなみに、度々こちらのブログでも引用していますが、ツイッター読書メーターは相変わらず平常運転でやっていますので、こちらもよければフォローいただけると嬉しいです。

bookmeter.com

今後ともよろしくお願いいたします。

 

2022年8月の読書録

8月は夏休みということもあり、7月に比べると多くの本、とくに夏っぽい本を中心に読んだ。『向日葵の咲かない夏』や『深夜特急』は蒸し暑い夏を連想しながら読むのが楽しかった。

それから、8月はキャンプにも行ったので、ここで本を2冊一気読みした。曇天だし、日焼け止めも塗って、アームカバーもつけているし大丈夫だろうと思って、油断して読書に没頭したら、読了後、手の甲が見事に日焼けしていたのだった。

8月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:2250
ナイス数:127

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)感想
そう来たかーという設定あり。主人公同様、私も誰が犯人なんだろうって振り回されてしまった。物事をひとまとめにせず、あえて要素ごとに分解してみるって大切なのかも、と思った。
読了日:08月04日 著者:道尾 秀介


泣きたい夜の甘味処泣きたい夜の甘味処感想
ほっこりする…と思ったのは自分の心が割と元気な時に読んだからかも?何かに迷っている時に読むと、支えられる気持ちになるのかな。どのおやつも美味しそう。
読了日:08月05日 著者:中山 有香里


夜空に泳ぐチョコレートグラミー (新潮文庫)夜空に泳ぐチョコレートグラミー (新潮文庫)感想
「ここ」では生きられないと感じている人と、「ここ」で生きる人の物語。どちらが正解というわけではなく、どちらの場合も(読者から見ると)不幸に見えることも幸福に見えることもある。ここから出ていこうとする衝動を抑えたり、鼓舞したり、逆にここに留まろうとする執着を手放したり…主人公と同じパターンの人は少ないと思うけど、「ここ」に対する思いが主人公と同じ…という人はいるのでは。
読了日:08月09日 著者:町田 そのこ


星の子 (朝日文庫)星の子 (朝日文庫)感想
夏っぽく、今世間を騒がせている新興宗教も絡むので読んで見た。自分の病気をきっかけに親が入信、それが宗教なんて思うことなく主人公は成長するが、その家族の心配をするおじさん、家族に耐えられず失踪した姉、そんな家族から距離を置こうとする主人公の友人や先生たちなどが登場する。信者と、それが新興宗教であるとわかっている周りの人の狭間で、戸惑う主人公の描写がリアル。最後のところは、解説にも書いてあったけど、主人公一家が、家族としては崩壊していないのに、社会からは排除される生暖かい存在ぽいなあと感じた。
読了日:08月10日 著者:今村夏子


むりなく、むだなく、きげんよく 食と暮らしの88話 茶呑みめしむりなく、むだなく、きげんよく 食と暮らしの88話 茶呑みめし感想
女子会のお酒の出し方、つまみの出し方が一番面白かった。薬味多目がポイント。
読了日:08月16日 著者:大原 千鶴


【旧版】深夜特急1 ー 香港・マカオ (新潮文庫)【旧版】深夜特急1 ー 香港・マカオ (新潮文庫)感想
旅に出たくなる。カジノの観察ってなかなかないので面白かった。負けを取り戻すためについつい賭け続けてしまう心理が生々しく書いてあって面白かった。
読了日:08月19日 著者:沢木 耕太郎


憤死 (河出文庫)憤死 (河出文庫)感想
ちょっとゾクっとする、不思議だけど現実的な話。「憤死」が個人的には一番面白かった。本気で怒って、自分の命に八つ当たりして、そのおまけで死んでしまうのが憤死。ある意味、怒りの才能がないとできない技。
読了日:08月25日 著者:綿矢 りさ


大事なことほど小声でささやく (幻冬舎文庫)大事なことほど小声でささやく (幻冬舎文庫)感想
端的に言うと、ゴリマッチョなオカマバーのママが、ジム仲間の悩みを解決していく…と言うのが基本ジム仲間目線で描かれているストーリー。こう書くと、現実離れしてる感じがするけど「悩み」の内容はやけにリアル。歯医者さんの話が一番好きだった。カクテル言葉がメッセージって言うのは、別のバー絡みの漫画でも見た気がするけど、花言葉より親しみが湧く(花より団子ならぬ、花より酒な人間だからか…?)
読了日:08月25日 著者:森沢 明夫

読書メーター

2022年7月の読書録

7月下旬に感染(発症)し、そのまま月末まで、まる10日間家から出ない生活をした。

基本的に家よりも外にいるのが好きで、読書も電車などでするタイプの人間であるため、療養期間の読書ペースは鈍化。というか、療養期間の前半は、体調が悪すぎて活字を追うことすらできなかった。症状がガッツリ出てしまっているときは、読書よりも回復にエネルギーを注いだ方がいいですしね。

といいつつ、ほぼ元気になった療養期間の後半も、本を1冊しか読まなかったのだけど。かわりに料理動画とか、友人おすすめのアニメ(普段全く見ない)を一気見したりして7月が終了した。

7月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:1699
ナイス数:36

頭がよくなる思考術頭がよくなる思考術感想
読む前は胡散臭い本かなと思ったけど、読んでみると鋭い言葉遣いで的確なことを言っていて、読んでよかったと思った。所々に「それは愛である」というものが出てくるのはキリスト教圏で生活した人だからなのかなと思ったけど、それ以外の部分は概ね同感。本を読むよう強制するつもりはないけど、本を読まない人は、他人の意見を理解し、受け入れ、吸収する練習をどこでしているのだろう、というのは言い得て妙だった。 言葉が難しいかもしれないけど、勉強の意味が見出せていない小中学生とかが読むと、少し視界がクリアになるのでは。
読了日:07月01日 著者:白取 春彦


結婚願望 (角川文庫)結婚願望 (角川文庫)感想
時代は少し違うけど、本書執筆時の筆者と今の自分の年齢が近いので「わかるー!」っていうことが多かった。わたしは恋愛体質ではないけど、典型的な「周りが結婚してるからするんじゃない?」って思ってた人間。結婚したいって思う気持ちに向き合う事で、逆に「結婚せずに生きる覚悟」を決めている本。確かに、恋愛はプライベートなのに結婚はパブリックで不思議だなあと思うし、紙ペラ一枚書くだけで、責任も発生するってすごい。ちなみに私の中でそれは「社会的契約締結」だと思っているけど、本書ではもっとシンプルに結婚とは何かを考えている。
読了日:07月02日 著者:山本 文緒


ボーイミーツガールの極端なものボーイミーツガールの極端なもの感想
多肉植物を横串に刺しながら、極端に見えるような他者との関係(恋愛含む)が主人公を変えて綴られている短編集。特に恋愛については「多様な恋愛」ときくと同性愛を連想してしまいがちだけど、性別だけでなくて、年齢やポリシーが多様だって含まれるわけで、歳の差がある恋愛や、愛人も丸ごと受け入れる恋愛、プラトニックラブなんかも書かれていた。「どんな恋愛をするか」は自由に選べたっていいし、その上で片想いだったり、うまくいかなかったりで苦しむなら、それはそれで納得できるものなのかもなと思った。
読了日:07月04日 著者:山崎ナオコーラ


ファースト・プライオリティー (角川文庫)ファースト・プライオリティー (角川文庫)感想
何か深いメッセージがあるわけではないが、いろんなこだわりや執着、人生があるよね〜と思う本。詰んでる人の話が多いのでいい気分よりはちょい暗い気分になるけど、暇つぶしに読むのにちょうどいいボリューム。
読了日:07月14日 著者:山本 文緒

 

モテとか愛され以外の恋愛のすべて (文庫ぎんが堂)モテとか愛され以外の恋愛のすべて (文庫ぎんが堂)感想
恋バナの深淵を覗くとコミュニケーションやら人間関係やら、意外と対人関係全般に言えちゃうような気づきがあって、面白かった。「柿の種の動的平衡」などキラーワード創造力に笑いました。そんなワード精製能力はないものの、共感するような内容も多かった。恋愛じゃないけど、一人焼肉ランチしてるところを会社の上司(特に男)には見られたくないって思ったことありますわ。あと、「謝罪」は納得できる謝罪をされて初めて、自分が本当は何を不満に思っていたかわかる、というのは言い得て妙だと思った。
読了日:07月16日 著者:桃山 商事


局アナ 安住紳一郎局アナ 安住紳一郎感想
いまから15年ほど前の安住さんが書かれた本。読み上げるような文章が書かれていて、さすがアナウンサー。安住アナは陽か陰で無理やり二分するとしたら、淡々とした話し方に引っ張られるためか後者だと勝手に思っているのだけど、その中にふふっと笑える話があって不思議。局アナって日本独特の存在なんだなと思った(商社みたい)。
読了日:07月17日 著者:安住 紳一郎


森崎書店の日々 (小学館文庫)森崎書店の日々 (小学館文庫)感想
本好きな人におすすめ。本が人を救うみたいな話ではないのだけど、古本の聖地で主人公とその周りの人が少しずつ変わったり、救われたりする話。神保町、カレーと古本の店ってイメージだけど、古本目当てで行ったことはあまりないな〜、今度行ってみたいなと思った。普段Kindle利用だけど、前の読み手の跡が残った本を見るのも面白そうだなあと思えた。
読了日:07月18日 著者:八木沢 里志


刑務官が明かす死刑の話 (BAMBOO ESSAY SELECTION)刑務官が明かす死刑の話 (BAMBOO ESSAY SELECTION)感想
想像以上に厳しい書類審査と、自殺防止とストレス軽減があっての執行なんだなと知った。ニュースではほいっと流れて終わりだけど…。
読了日:07月28日 著者:一之瀬 はち

読書メーター

 

2022年6月の読書録

先月よりも読書モチベーションが回復したので、通勤電車の時間を中心に小説を読んだ。怖いもの見たさで、少し込み入った人間関係の小説を読みがちだった印象。

6月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1225
ナイス数:31

ミスキャスト (講談社文庫)ミスキャスト (講談社文庫)感想
クソみたいな不倫男の、自惚れ満載な小説。これを買いたのが女性作家さんっていうのがすごいな…。不倫してる人ってこんなこと考えてるんかなと、なんかある意味新鮮な本だった…。
読了日:06月19日 著者:林 真理子


くまのむちゃうま日記 つくるか…オリジナルむちゃうま手帖付き特装版(1) (講談社キャラクターズA)くまのむちゃうま日記 つくるか…オリジナルむちゃうま手帖付き特装版(1) (講談社キャラクターズA)感想
ちいかわとかモグラコロッケは、ナガノさんのぶっ飛んだ発想を垣間見る作品、という感じだけど、こちらはナガノさんの嗜好全開でまた少し違っていて、それもそれで好き。コロナ禍にTwitterで投稿されていた作品が多めなのかな?自炊→時短料理・出前→自炊せず、になっていくのが面白かった。インパラたちの登場回かも。
読了日:06月22日 著者:ナガノ


ひそやかな花園 (講談社文庫)ひそやかな花園 (講談社文庫)感想
登場人物が、それぞれ全く違う悩みを抱えつつ、出生の事情を知り、受け入れる物語。それぞれの悩みは、なかなか打ち明けられなかったり、言語化できなかったりするもので、それ故に「共通の出生の事情」をいろいろな視点で見ることができるなあと感じた。さーちゃん、自分は悪くないのにいじめられていた過去があるから、成長しても、他人のせいにするクセが抜けなくて、わたしは苦手な子だなと思いつつも、なりたくてこうなったわけじゃないんだよなと、なんとも言えない苦い気持ちになった。
読了日:06月23日 著者:角田 光代


オードリー・タン 母の手記『成長戦争』 自分、そして世界との和解オードリー・タン 母の手記『成長戦争』 自分、そして世界との和解感想
壮絶な育児記録だった。家庭が辛いとかそういう次元でなく、既存の制度や、その制度の中で生きるマジョリティからの意見も「辛い」状況で、李さんはどれだけの苦労をしたのだろう…と思った。ギフテッドの息子と、既存の教育制度の板挟みにあって、それでもなんとか状況を打開しようとする母の姿に、尊敬の念を抱いたし、手記を通じて戒厳令下の台湾における、管理主義的な側面も理解することができた。現代の日本も台湾も、まだルールや「伝統」を重んじすぎてネガティブな状況を生み出すことはあるけどね。
読了日:06月26日 著者:近藤 弥生子


ギフトギフト感想
短編集。父と娘の話がよかったと思う。
読了日:06月28日 著者:原田 マハ

読書メーター

2022年5月の読書録

 

5月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:414
ナイス数:21

パッとしない子パッとしない子感想
気づかぬところで自分も「佐藤先生」と同じことを実はしてるんじゃないかって思ってゾクっとした。佐藤先生の発言に腹が立つのに、憎みきれないのはそのせいか。
読了日:05月02日 著者:辻村深月


べらぼうくんべらぼうくん感想
何度読んでも面白い。無職の才能、独りよがりは、燃料となるけれど燃やし尽くさないと次のステップに進めないというのは言い得て妙だった。こういう、言葉にしにくい考えとか感覚を、文字に起こしちゃうところが万城目さんの凄さであり、ついつい引き込まれてしまうところでもあります。
読了日:05月21日 著者:万城目 学


メンタル強め美女白川さん (メディアファクトリーのコミックエッセイ)メンタル強め美女白川さん (メディアファクトリーのコミックエッセイ)感想
「ぶりっこ」強し。ぶりっこって言うとアレだけど、自分の機嫌を自分で取っているし、芯が強い。僻みや妬みにも負けない。私は彼女に比べれば豆腐メンタルだけど笑
読了日:05月29日 著者:獅子

読書メーター

サボるための小さな積み立て

今週のお題は「サボりたいこと」のようだ。自分に限らず、サボりたいことの1位として仕事を挙げる人は多いのではないかと思う。

私は仕事をサボりたいと思うくらいの人間なので、況や残業をや、という感じで仕事はさっさと終わらせて帰りたいと考える人間だ。そして、そのスタンスで3年ほどある業務を担当してきた。

私の仕事は、内容ではなく作業という観点で説明すると、いろいろ調べものをして、その結果を文章にまとめる、というものになる。ものを調べることにも、それをうまくまとめることにもそれなりの時間がかかる。背景知識があれば、調べる時間は短くなるかもしれないが、仕事上扱う分野が多岐にわたる(というか、聞かれたら基本何でも対応する)ため、対象分野すべての知識を身につけることは定年まで働いても無理だと思う。

そんな業務を始めて担当した時、当然のことながら、背景知識も経験値も皆無だった私は、見事に仕事が進まず、連日残業三昧だった。上司に「早くお帰り、あと消灯よろしくね」と心配されるのもふがいなかった。正直、残業よりも、そういうふうに心配されることによる精神的苦痛(私は仕事が遅いのか…)のほうが嫌だった。

その反省を活かし、残業三昧の日々から解放されたタイミングで、私は「いい感じに仕事をしてサボれる下準備」を始めた。話をキャッチーにするために「サボる」という言い方をしているが、端的に言うと、手元に手ごろな情報源を増やしておく、ということをした。

冒頭、私の仕事は、いろいろ調べものをして、その結果を文章にまとめることだと書いた。そして、「①ものを調べる時間」と「②調べたことをまとめる時間」の2つがかかるということも書いた。このうち、時間のかかりようで言うと①ものを調べる時間のほうが圧倒的に重い。ということで、この部分を少しでも軽くするにはどうしたらよいか、考えた。

結論としては、いつか聞かれそうなことは、知ったときに都度調べてまとめておく、ということをした。なんだ、大したことじゃないじゃないか、と思われるし、作業としては大したことはしていない。ただ、「いつか聞かれそうなこと」が何かを考えて、拾うにはそれなりの経験値とアンテナを必要とする。これを養うのに1年半ほどかかった。

たとえば、毎年または毎四半期ごとに、あるデータをアップデートして解説しなくてはならない。このとき、解説のためには該当期間に何があったか、大きく数字を動かす要因として内があったかを分析する必要がある。しかし、特に年ごとに分析する場合、何年に何があったかなんて逐一覚えていられない。そこで、「要因」になりそうな出来事、分野について大きな動きや目立った出来事を都度調べて、まとめておくのだ。サボるために小さい頑張りを積み立てる、とでも言えばいいだろうか。

こうすることで、たとえば、1年後に「20XX年は○○が激減した。その背景として…」という文章を書かなければならないときに、都度調べてまとめておいた原稿を引っ張り出し、考察すればよい。必ずしも原稿にしていた内容が「…」の部分を埋めてくれるかはわからないが、考察のとっかかりを与えてくれるだけでも作業スピードが変わる

こんな仕事のやり方を身に着け、以降2年間は、当初ほどの残業をせずに仕事をすることができるようになった。空いた時間では、飲みに行ったり、コロナになってからはヨガや読書、料理に時間を費やすようになった。お仕事をさっくり終わらせて、アフターファイブたのしめるなんて、最高じゃん。

なんて思っていたが、そんな姿勢が「余裕」とみなされたのか、それとも調子に乗って有給休暇を頻繁にとったからか、担当3年目になったところで別部署の応援に駆り出されたり、担当変更で新しい(=今までの蓄積が活きないし、前任者の蓄積もあまりない)分野を任せられることになった。人生そんなに甘くなかった。

一旦上げてしまった生活レベルを下げることは、なかなかできないというが、いったんアフターファイブの楽しさを享受してしまうと、それなしの生活を送ることが難しくなる。失われたアフターファイブを取り戻すため、サボりたいと思いながら、今日もコツコツ働くのであった。