読書録~看書便條~

読書録ブログです。小説、趣味、仕事の本などいろいろ。Kindle Unlimitedにお世話になっています。

野菜と果物の境界なんて、人間の都合なんだ…

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植物にまつわる本を読んだので、2冊まとめて読書録を書きたいと思う。いずれも同じ方の著書。

  • 『世界史を大きく動かした植物』

  • 『面白くて眠れなくなる植物学』

まず、『世界史を大きく動かした植物』では、胡椒、茶、砂糖など、世界史でも貿易(や戦争)を引き起こした有名な植物を取り上げ、どのようにして世界に広まり、広まった結果何をもたらしたのかを説明している。

人間はトウモロコシからできている!?

特に、おもしろいと思ったのはトウモロコシ。世界史ではそこまで取り上げられないし、日常的に食べるイメージもない。しかし、実は、日本に住んでいる我々が「よく食べる」と思っているスイートコーンは特殊(糖が澱粉にならない変異種)なものであり、世界にはあれほどの甘みを持たない品種も存在しているという。そして、そういったトウモロコシが、甘味料や難消化デキストリンに形を変え、時には飼料となり、私たちの口に直接または間接的に入っているという(ほかにもバイオ燃料とか、用途は山ほどある)。マヤの人々が「人間はトウモロコシからできた」と信じていたというが、トウモロコシがもはや人間にとって欠かせないものになっているという意味で、あながち間違いでもないかもしれない。

そして、人間に多様な用途で利用されているトウモロコシ、一見すると人間がトウモロコシを活用しているようにみえるが、これもトウモロコシの生存戦略だったりして。我々が植物を利用するとき、我々もまた植物に利用されているのかもしれない。

辛いもの⇒脳内モルヒネ分泌⇒快感

もう一つ面白いと思ったのは、唐辛子。そもそも、人間の味覚に「辛い」というものはなく、辛みというのは痛みらしい。それなのに、なぜ、辛いものは美味しいと感じてしまうのか。

厳密にいうと、辛い物をおいしいと感じているのではなく、辛いものを食べることによって快感を感じるような体の仕組みがあるようだ。辛いものを食べて「美味い」と思うのはカプサイシンを摂取した時に出てくる「脳内モルヒネ」なる成分が分泌されて病みつきになるという。

 

続いて、『面白くて眠れなくなる植物学』。1冊目は世界史を動かしただけあって、口に入る植物が多いが、こちらの本ではもう少し幅広い植物に目が向けられている。

野菜と果物は、人間の都合

中学校の理科で習う双子葉類と単子葉類、それから裸子植物被子植物。あのときは植物にはこういう種類があるという、事実の丸暗記をしただけだったが、今回の本を読むと、植物が環境に応じて2種類に分かれたことが分かった(詳しくは本を読んだ方が良い)。

また、草と木、野菜と果物、のように人間がつくった植物の分類があるが、これも植物にとっては臨機応変に生きた結果その形になっただけのことであり、最初からこのカテゴリーに当てはめられようとは考えていないのである。

例えば、バナナは果物と思われているが、あれはバナナの木ではなく、草だという。他方、日本では木になるものは果物、草になるものは野菜という分類があり、イチゴやメロン、スイカは野菜になるという(注)。

(注)本書でも解説されているが、日本では野菜と果物は、上述の「木になるか、草になるか」に加えて、一年生か多年生かという点も含めて定義されている。

概ね2年以上栽培する草本植物及び木本植物であって、果実を食用とするものを「果樹」として取り扱っています。
従って、一般的にはくだものとは呼ばれていないと思われる栗や梅などを果樹としている一方で、くだものと呼ばれることのあるメロンやイチゴ、スイカ(いずれも一年生草本植物)などは野菜として取り扱っています。

(出所)果樹とは:農林水産省

本書にもあるが、トマトは野菜か果物か、という論争がかつてはあったらしい(関税が変わるためらしい)。しかし、その分類は植物にとってはどうでもよいことであり、そもそも植物は人間と同じ基準で生きていないということを改めて思い知らされた。

【読書録】女性のいない民主主義

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今回読んだ本は『女性のいない民主主義』。日本だけでなく、多くの国・地域で女性参加が考慮されていない民主主義に近いがそうではない状態にとどまっていることがわかる一冊。

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以前先輩がこの本をお勧めしていたので、いつか読もうと思っていたところ、なんとKinde Unlimitedの対象になっていたのでさっそく読了。

男性性を優先する社会

本書は、研究者の方が書かれただけあって、ちょっとした疑問にも先行研究を交えて解説がされていて、とても読み応えがあった。冒頭、「なるほど~」と思ったのは、社会は男性ではなく「男性性」を優先しがちなために、ルールなどに男女の制限が明記されていなくても結果的に男性優位になりがちだということ。

ジェンダー化された組織では、明示的に男性を優遇しているわけではない組織規範も、「男らしさ」を優遇している。 このような視点から見れば、資本主義という経済システムそのものが、激しい市場競争をともなうという意味で、「男らしさ」と結びついている。

確かに、このご時世、性別を以て労働者に役割や目指すべき姿等を定義したら炎上間違いなしだが、「男らしさ」につながるような言葉を使った定義であれば、通用してしまうかもしれない。例えば、私自身はこれは女性も持っている良い性質だと思うけれど、「質実剛健」、「野心的」といった言葉は女性を褒める際にはあまり耳にしない印象がある。他方、女性に求められがちなのは、補助的役割や見守りなどであり、このような組織の規範にジェンダー規範が課せられていると筆者は指摘する。

このようなジェンダーをベースにした規範に従う場合、女性は「ダブル・バインド」に直面するという。組織の規範とジェンダーの規範の板挟みになるということだ。

ダブル・バインドとは、二つの矛盾する要求で板挟みになることを意味する。一方には、積極性があり、競争的な、「男らしい」行動を求める組織規範があり、他方には優しく、包容力のある、「女らしい」行動を求めるジェンダー規範がある。

女性のいない「民主主義」

また、この本のタイトルにもなっている「女性のいない民主主義」という状態について、筆者は、「男女平等」が民主主義の定義に含まれていないことを丁寧に説明している。

例えば、民主主義をうたう米国であっても、初めはその「民主主義」から女性は排除されていた。また、日本も女性の参加率が低い「民主主義」の状態に甘んじている。「民主主義」と言いながら、それは男性から見た民主主義であり、女性から見れば本質的にな何も改善していない状況に映っている可能性がある。

重要なのは、それが誰の視点から見た民主主義であるのかを、明確にすることであろう。男性の選挙権を基準にした民主主義の歴史と、女性参政権も含めた民主主義の歴史は、おそらく違うパターンを描くに違いない。ハンティントンの民主主義の歴史は、いわば「白人男性の民主主義」の歴史である。他の視点から見た民主主義の歴史は、そこには表れない。

この部分、学者さんが書かれた本だからというか、著者の方がすばらしいのか、おそらく本来であれば自分のような素人には理解しきれないであろう先行研究をたくさん踏まえつつ、いかに女性の存在が抜け落ちてきたかを解説している。

男性稼ぎモデルの下でつくられた社会システム

振り返って日本の状況を見てみると、日本はOECDの中でも女性の議員割合が再会であるなど、先進国の中でも男女の不平等度合いが大きいことが指摘されている(図参照)。

図:女性の議員比率(2021年、%)

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本書では、日本の状況について、政治の世界と、政治も含めたもっと広い世界に分けて考察している。具体的な内容としては本を読むのが一番なのでここでは割愛するが、個人的に印象に残ったのは、日本で受給可能な補助などは、男性が稼ぎ、女性が家事や育児を負担することを前提に構築されてしまっているという指摘だった。

性別に関係なく、稼ぐ個人に焦点を当てた制度を作った方が、男女平等思考が強くなる(詳細は位置No. 1318)が、日本の場合は家族像に焦点が当たっており、その構成員というのは働く男性と家を守る女性であって、直接恩恵を受けるのは男性でしかないのだという(他方、女性は無償で家事育児介護に徹することが求められてしまう、ヒドイ)。そして、女性の政治参加度合いが低いために、こうした状況の改善もなかなか進みにくいのだという。

ちなみに、日本の話からそれるが、女性の政治参加を促すきっかけとしては、政治勢力の参入があるという。

民主化後に参入した勢力が男性優位主義的な志向を持つ場合には、むしろ女性の退場が促進されてしまう。

ちなみに、日本も野党が妥当与党で女性候補を擁立するケースが見られたことが、本書では指摘されている。

まとめ

男女平等が民主主義の定義に含まれていない、ということがこの本を読んで一番衝撃的な内容だった。ただ、言われてみると、日本が男女不平等でありながら「民主主義」と言ってしまえる現状にも納得がいった。

また、「おわりに」の部分を読んで興味深いと思ったのは、本書では女性の政治参加を促す取り組みが紹介されたが、著者自身がその方法は女性の政治参加には有効であっても、性的マイノリティを代表するには適さないであろう、と指摘していたことである。

女性は、マイノリティの中のマジョリティであって、マイノリティの中のさらにマイノリティの声をくみ取り、反映しやすくするような仕組みを作るためには、また別の視点が必要になるのだと感じた。マイノリティと言ってもひとくくりにはできない。

【読書録】戦争は女の顔をしていない

図らずもタイムリーなキーワードを含んでしまったが、1か月かけて『戦争は女の顔をしていない』を読了。

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ソ連の女性から見た独ソ戦をが理解できる本。武器を手に取った女性もいれば、通信士や操縦士、看護師、衛生管理職員として戦争に従事した女性もいた。特に、看護師として戦場で負傷者を運び出し、治療した女性の話は生々しい。

女性独特の視点と思われたのは、戦時だけでなく戦後にも従軍した女性には試練が待ち受けていた点。戦争中は男のようになれと言われ国に奉仕したのに戦後はまるで女性としての価値が下がったかのように蔑まれる。

男たちは戦争に勝ち、英雄になり、理想の花婿になった。でも女たちに向けられる眼は全く違っていた。私たちの勝利は取り上げられてしまったの。〈普通の女性の幸せ〉とかいうものにこっそりすり替えられてしまった。男たちは勝利を分かち合ってくれなかった。悔しかった。理解できなかった。

タイトル通り、戦争は女の顔をしておらず、一度その顔になってしまったら、元の顔には戻れないという残酷な状況。彼女たちの青春は、国や政治家のメンツのために使い捨てられたのか、と思われた。

 

私が冬のスポーツ苦手な理由を考察した(できるようにはなりたい(´・ω・`))

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どうも。はてなブログ今週のお題は「冬のスポーツ」だそう。

こうしてブログを書いたものの、実は私は冬に行われたスポーツとしてできたものが駅伝くらいしかない。しかも、駅伝は正月にTVでよく見るものではあっても、冬を代表するスポーツと言っていいかは謎である。

さて、冬のスポーツというと、スキーやスケートが思い浮かぶが、私はこれらのスポーツがびっくりするほど下手である。下手というか、それ以前に、スキーもスケートも人生の中でそれぞれ2回しかやったことがないので、「できる」状態に至れるほどの練習ができていないともいえる。

ただ、ではこれらのスポーツをもっと練習したいかというと、練習してうまくなりたい気持ちもある一方で、他のスポーツを練習したときとは異なる苦手意識があることに気付いた。今回の記事では、そんな苦手意識を少し整理してみたいと思う(というわけで、今回のブログは非常に個人的な内容となる予定)。

筆者が思う冬のスポーツ

冬のスポーツというと、執筆時点で開催されている冬季五輪でも実施されているような、雪や氷の上で行われるものをイメージする。代表的なものはスキー、スノーボード、スケート。最近は北京オリンピックをみてカーリングにもハマりつつある(にわかファン)。

なぜこれらのスポーツ経験が少ないのか

苦手意識以前に、まずは、そもそも冬のスポーツをやった経験がない背景を整理したい。これは明確に理由が2つある。

ひとつは幼少~成人一歩手前時代を過ごした地元で雪が降らず、する機会がなかったことと、親が冬のスポーツで大けがをしたトラウマから、子供(筆者)にそれをさせなかったことにある。一つ目の理由は説明するほどでもないので割愛し、2つ目を整理する。

筆者が生まれる以前、両親はスキーに出かけたことがあったらしい。そして、あるとき、スキー場で父が靭帯断裂、救急搬送となり、それ以降スキーをしなくなったという。その結果、当然家族旅行でスキーに行くことはなく、筆者のスキー初体験は中学2年生のスキー教室まで持ち越されることととなった。

ちなみに、スケートについてはおそらく両親もやったことがないうえに、家の近くにリンクもないので、初挑戦は20まで待たされることとなる。

ただ、これらの理由は、あくまで筆者が冬のスポーツの挑戦が遅めになった理由でしかなく、苦手意識を持つ根本的な理由ではないと考えられる。

もちろん、これらの経験値が周りよりも少ないと、自分は周りよりも下手=苦手と錯覚しがちではあるが、それは相対的には下手ということでしかない。

実際、スキーは1回目よりも2回目の方がうまくなったし、シンプルに経験が足りないだけである可能性が高い。では、他人と比較しなければ苦手意識を持つこともないのでは、と思われるのだが、そうもいかない。それでもなお苦手意識を持ってしまうのはなぜなのか。

実際に冬のスポーツをやってみた感想

上述のとおり、スキーについては14歳、スケートについては20歳で初めて経験することとなった。スケートは2回やって2回ともびっくりするほど下手だったのだが、スキーについては2回目でだいぶましになったと思う。

ただ、できるできないにかかわらず、いまだにスキーにもスケートにも苦手意識がある。その理由を、実際にやりながら考えたところ、2つの理由が思い浮かんだ。

1.斜面を下るのが苦手

特にスキーに当てはまると思うが、筆者は、斜面を下るというのが苦手である。高いところにいるだけ(観覧車、ゴンドラ)は平気なのだが、斜面を降りていくときになんとなく怖さを感じる。

例えば、スキーだと、なだらかな坂では何とも思わないのだが、少し急になった坂だと、重力に任せて下に滑って行ってしまう足元の感覚と、急な斜面の見た目そのものにびびって足がすくんでしまう。

そういえば、小学生の時に、コンクリートでできた山を勢いよく下ってしまい、足が追い付けず思いっきり転んでけがをした経験がある(おバカ)。それも多少関係あるのかな、知らんけど。

ただ、これは慣れれば解消できるとも思っている。例えば、斜面ではない者の、同じく「下る」動きを含むものとしてジェットコースターがあるが、これは何度も乗った結果、今ではディズニーランドとディズニーシーであれば(タワーオブテラーを除く)大体のアトラクションには乗れるようになった。まあ、だいたい落ちるときは目をつぶっているのだけど。ちなみに、ユニバは1回だけ、富士急に至っては一度も訪れたことがないので、これらのアトラクションにのれるかは定かではない。

2.滑る感覚が苦手

これはスキーとスケートに共通の要素だと思うのだが、筆者は「滑る」という感覚が苦手である。なんとなく、自分で制御できない感じがするのと、足元は滑る一方で上半身をどう使ったらいいかわからず、そのアンバランスさもあいまって余計変に滑ってしまう...という悪循環に陥りやすい。

これは経験を積むしかないのかなともうのだが、そもそも「滑る」ことが苦手な人間が、「滑り」によって成り立つスポーツを楽しむようになるには、それなりの練習と慣れが必要なのではという気がしている。逆に言うと、慣れれば克服できるかもしれないとも思っており、その意味で希望は捨てていない。

冬のスポーツへの苦手意識を克服したいのであれば

ここまで、冬のスポーツへの苦手意識を持つ理由を、(1)経験値のなさと、(2)具体的に苦手なポイントにわけて整理してみた。(1)はあくまで冬のスポーツの経験値が少なくなった要因でしかなく、人と比べたうえで苦手意識を持つ理由にはなりうるが、根本的に苦手かどうかを決める理由とは言い切れない。むしろ重要なのは(2)であり、斜面を下る感覚と、滑る感覚への苦手意識の方が根本的な要因であるように思われる。

ただ、これは「慣れ」である程度克服できる可能性もあると考えている。実際、斜面とはいいがたいが、コースを下ったり高いところ(といっても1.5メートル程度ではあるが)からジャンプするという行動は、経験を重ねて慣れてきた。

現時点で、スキーをものすごくやりたい!スケートできるようになりたい!という熱い思いは抱いていないのだが、今の自分が「楽しそうなスポーツを楽しめていない」というのはもったいない気がしている。根本的には経験不足とそれによる慣れていなさが原因であると整理できたので、今後機会があればマイペースにやってみようかなと思う。

2022年1月の読書録

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2022年1月、今年は4日が仕事始めだったことと、1月がとにかく仕事で忙しかったこともあり、読書ペースはゆっくりだった。

あとは、年明けに読み始めた本が1冊あるものの、内容が結構重くて(それゆえに食事前後ではあまり読めない)、量もあるため、ここに掲載されていない読書に時間を割いていたともいえる。

 

1月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:1358
ナイス数:60

台湾の「いいもの」を持ち帰る (講談社の実用BOOK)台湾の「いいもの」を持ち帰る (講談社の実用BOOK)感想
お土産だけでなく、生活用品も含めて台湾懐かしい〜!と思える品のオンパレード。後火車站は一回しか行ったことがないのだけど、たしかに掘り出し物市場って感じだったので、また行ってみたい。花布ティーパックはパッケージ可愛いと思ってお土産によく買ってたけど、中身もいいものだったんだなと今更知った。学生時代は生活必需品と食べ物しか買わなかったので、紹介された鞄とかシャンプーとか雑貨とかは使ったことないものばかりだったなあ〜、早く渡航して使ってみたいもんです。読了日:01月01日 著者:青木 由香


ヘタリア Axis Powers 原作ガイドブック ヘタリア的WW1ヘタリア Axis Powers 原作ガイドブック ヘタリア的WW1感想
原作とは異なり史実に基づいてWW1を解説している本(漫画ではない)。大きな流れとこぼれ話の両方が説明されていて、国と国との関係性が分かりにくいWW1の背景がすっきり頭に入る。ヴェルサイユ宮殿ドイツ帝国戴冠式をやられ、ドイツが攻め始めるとまずボコられるフランス、戦争後に当時のドイツ20年分の賠償金を貸したり、非武装化したドイツの工業地帯占領したり…やることはお互いえげつない。学生時代は普墺戦争普仏戦争ドイツ統一の文脈で勉強したけど、イタリア統一の契機になったよう(未回収のイタリアは次巻で回収🍅)。読了日:01月02日 著者:日丸屋 秀和(監修)


ヘタリア Axis Powers 原作ガイドブック ヘタリア的WW2ヘタリア Axis Powers 原作ガイドブック ヘタリア的WW2感想
こぼれ話を含みつつヴェルサイユ体制からWW2までを解説。WW1はほぼアメリカの一人勝ち?戦勝国も借金でボロボロ、国民は貧しくて怒り心頭、ドイツもロシアも気づいたら国のお偉いさんが変わってた(ポーランドも復活してた)。各国の国内事情とか、当初優勢と思われたドイツがどうやって動き始めたのか、さらにその裏で動けなくなる北欧やバルト三国の動向もわかって面白い。こぼれ話で言えば、珍兵器やミリメシマジノ線、苦労人スイスのお話も。WW2の後、結局誰が得をしたのかと話す場面で、戦争はよろしくないなと改めて実感。
読了日:01月02日 著者:日丸屋 秀和


台湾オニギリ台湾オニギリ感想
実は台湾で初めてオニギリ(飯團)食べた時、苦手な肉鬆が入っていたので、それ以降あえて食べないようにしていた。でも、この本にあるような肉鬆とか花生粉なしのオニギリなら食べられそう。作ってみるか…?
読了日:01月03日 著者:山脇 りこ


改革する思考改革する思考感想
まさに、正月は惰性で箱根駅伝見ちゃう人。長距離走って個人プレーのようでチームプレーなんだなあと思った。内容は、いい意味で予想通りで、学生第一だなあと感じた。部活に限らないけど、学生(や若手)のことを大切に考えてくれるボスに出会えるかどうかは大きいと思うので、こういう監督の下でトレーニングできるってこと自体いい人生経験なんじゃないかなあと思う。
読了日:01月17日 著者:原 晋


星の王子さま (新潮文庫)星の王子さま (新潮文庫)感想
すっごく有名なのに今まで読んでこなかった。仕事してると数字ばっかり追ってしまうけど、数字が全てな大人にはなりたくないなって改めて思った。大切なものは、目に見えないとしても、それを思い出したときに、世界を違ったものに見せてくれる。星に限らず、自分の身近にもいっぱいありそう。
読了日:01月19日 著者:サン=テグジュペリ


AI分析でわかった トップ5%社員の習慣AI分析でわかった トップ5%社員の習慣感想
ななめよみ。私は金曜日の夜に味わうものは達成感<開放感だし、なんなら土日も仕事のこと考えてたりするので95%のほうにいるんだろうな笑 やってることもあったし、やってないこともあるけど、全部やるのはむずそうなのでそれこそ8割くらい目指して(5%を目指すためではなく、仕事を効率的にやるために)できることからやろうかな。 蛇足だけど、過去一仕事ができるボスの部署に移動したのだが、ボスはこの本に書かれてること結構やってたな〜。ますます尊敬した。
読了日:01月21日 著者:越川 慎司


女の子はどう生きるか: 教えて,上野先生!女の子はどう生きるか: 教えて,上野先生!感想
学者さんだけど、それを感じさせない、いい意味で感情に任せた感じの本だった。端々に日本と海外の制度の紹介もあって、個人的にはそのパートが面白かった(議員候補者の性別クォーター制など)。読んでみると、自分は感じてこなかった不自由さも書いてあって、多分学生時代の環境が恵まれていたんだなあと感謝した。といいつつ経験のある痴漢は、油断していようがしていまいが起こることなので、女性専用車反対っていう人は目見開いて該当箇所読んだ方がいいと思う(し、その不満を女性にぶつけるのはとんだ勘違いだと言うことに気づいてほしい)笑
読了日:01月22日 著者:上野 千鶴子


オードリー・タンの思考 IQよりも大切なことオードリー・タンの思考 IQよりも大切なこと感想
唐鳳さんの本は結構読んだので「この下り前も読んだことあるな」というのが多く、満腹感で読むのに時間がかかった。この本のオリジナリティは、彼女だけではなくて、彼女を政界に引き入れたひとや、シビックハッカー個人にもインタビューがなされていたこと(さすが近藤さん…)。彼女が他の台湾人から見てどう思われているのか、政治の世界で議論をする際の壁は何で(これは日本も同じなので考えるまでもない)、それをどう乗り越えたのかなどがわかった。仕事柄、行政やステークホルダーとの関わりのところは面白かったな〜。
読了日:01月27日 著者:近藤 弥生子

読書メーター

2021年12月の読書録

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あっという間に2021年が終わりました。読書記録用に、友人に勧められたアプリを使用し始めてから1年強、このブログを始めてから10カ月ほどになります。

さて、今月は12月中旬まで以下の試験のため、読書ペースが著しく低下した一方、試験終了~クリスマス~年末は読書以外することがなかったので、どっぷり本を読みました。

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12月前半にいかに読書できていなかったかがわかる。

今月読んだ中で一番印象的だったのは、ヴィクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブルでしょうか。タイトルは聞いたことあるものの、ストーリーは全く知らない作品でした。ただ、ユゴーの作品は以前『死刑囚最後の日』を読んで衝撃を受けたことがあったので、同じ作者の作品であればぜひと、合計800ページ越えの上下巻にビビりつつ、年末に読み始めました。

結果的には、話も面白かったし、実は12/31にみたミュージカルとも時代が一致していたこともあり、読んだタイミングもベストでした。この時代のフランス文学作品、明るくハッピーなストーリーは少ないですが、読みながらいろいろなことを考えさせられるので、すごく好きです。

mang2guo3.hatenablog.com

 

12月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:3342
ナイス数:58

水素分子はかなりすごい 生命科学と医療効果の最前線 (光文社新書)水素分子はかなりすごい 生命科学と医療効果の最前線 (光文社新書)感想
一時期ブームになった水素水、お金出してまで飲まなくていいかなと思っていたが、「水素分子が細胞に変化をもたらす」という点は事実のよう。ブームのおかげで科学が歪められたり偏見を持たれたりという、ちょっと気の毒な状況なんだなと思った。後半部分で、水素を命綱にする生物がいたという話を聞くと、それなら地球以外に、酸素以外の元素をエネルギーにする生物がいたっておかしくないよなあとも思えた。最後の最後、(IPCCのレポート読んだ身としては)温暖化のくだりはいらなかったかなあとちょっと思ってしまったかな笑。
読了日:12月05日 著者:深井 有


(全文PDF・単語帳アプリ付)徹底攻略 情報セキュリティマネジメント教科書 令和3年度(全文PDF・単語帳アプリ付)徹底攻略 情報セキュリティマネジメント教科書 令和3年度感想
読書と言っていいか微妙だけど、試験関係なく仕事に役立ちそうな内容もあった。試験は終わったけど今後も辞書的に使うと思う。あえて対策的な観点でメモをすると、午後試験の対策もできるのでおすすめ。
読了日:12月22日 著者:株式会社わくわくスタディワールド 瀬戸美月,株式会社わくわくスタディワールド 齋藤健一


私の身体は頭がいい (文春文庫)私の身体は頭がいい (文春文庫)感想
そういう考え方もあるんだ〜という、傍観者的な姿勢で読んだ。振り返ると、相対時する相手を想定したスポーツまたは武道って人生で一度もやったことがない(むしろ、みんなと息合わせる系の運動歴が長い)。だからか分からないが、著者の言う「非中枢的身体論」は言語的にわかるが理解ができなかった…。他方、「太刀について」は共感できて、旗を使った踊りを思い出した。練習開始直後は「お前が旗を振る時、お前もまた旗に振られているのだ」状態だけど、旗持ちの制約を感じさせない動きができると美しく見える…という点が似ているかも。
読了日:12月27日 著者:内田 樹


株式市場の本当の話 (日経プレミアシリーズ)株式市場の本当の話 (日経プレミアシリーズ)感想
上司からの横流し本。ESG投資の存在は否定しないけど、評価ができたり、関連するような情報を公開できるのってまだまだ大企業ばっかりなので、ESG銘柄を基準に排他的な投資の仕方はしなくてもいい(いまは)かなって思った。そもそも指標自体が発展途上なので、未評価のところにもきらりと光るものはあるかも。
読了日:12月28日 著者:前田 昌孝


美貌のひと 2 時空を超えて輝く (PHP新書)美貌のひと 2 時空を超えて輝く (PHP新書)感想
冒頭のGODIVAのエピソード、心優しい美女がやったことなのかと思うが、実際はこの伝承自体が虚構で、芸術家の創作意欲を掻き立てるように尾鰭がついていき、脇役まで登場したと…。芸術の力というかクラスターすごいなと思った。白雪姫は、童話で読むと素敵な話って思うけど、こう解説されると姫といい王子といい、どちらもややぶっ飛んでた人なんかもなとイメージが覆った。ベアトリーチェのお話は悲劇だけど、こういう解説読まねばそうとは思わなんだ(明るい絵ではないってことしか気づけない)。知識と共に見ると絵画って面白い…。
読了日:12月28日 著者:中野 京子


僕の人生には事件が起きない僕の人生には事件が起きない感想
文章書いたことないってセルフハンデをつけていたものの、芸人さんだからか、読ませる文章という感じで一気に読んでしまった。怪談の話と、無音魚雷の話が面白く、同窓会の話は共感の嵐だった。 芸人さんて仕事中「面白くある」ことを求められてて大変だろうな〜と思ってたけど、そうされたときに、いい意味で忖度をしないのが意外で驚いたし、バッサリ言い切るってぶっちゃけられるのがこういうエッセイの良さなんかもなとも思った。
読了日:12月29日 著者:岩井 勇気


伊豆の踊子伊豆の踊子感想
「驢馬に乗る妻」と「むすめごころ」が切ないけどいいなあと思った作品。現実でそういうことが起こるのは嫌だけど、だからこそこういう状況を小説で読んで、自分だったらどうするよ…うわあああみたいなしんどい気分に浸るのが好きなのかもしれない。あと、経験してないのに上述のような感情になれるくらい描写や表現が素敵なところも好き。ちなみに、タイトルにもなっているかの有名な「「伊豆の踊子」は私にとっては捉えにくかった…解説読んでもちょっとよく分からん…ググってから再読かな…。
読了日:12月29日 著者:川端康成


グローバルリスクと世界経済: 政策不確実性による危機とリスク管理グローバルリスクと世界経済: 政策不確実性による危機とリスク管理感想
不確実性を定量的に示すデータとしてどんなものがあるか知ることができた。チャイナリスクって、サプライチェーンとか、政治リスクとか色々あるけど、究極のリスクは「中国市場を丸ごと失うこと」っていうのはごもっともだけど抜けてた視点だった。目的を持って読んだ方が良い本なので、次は必要になった時に読もうかな…(難しかった)。
読了日:12月30日 


レ・ミゼラブル (上) (角川文庫)レ・ミゼラブル (上) (角川文庫)感想
しんどい内容だけど、面白くて一気読みした。誰も悪くないというか、誰か1人に原因があるわけではなくて、社会の歪みがあるがゆえに、それに囚われた人々は一度道を踏み外したら、何倍苦しい思いをしても償い切ることができない…という救われない社会ってしんどいなと思った。しかも、社会の歪みで最低限の生活が送れていないのに、社会の裁きを受けるというやるせなさ。いざ、下巻へ。
読了日:12月30日 著者:ヴィクトル・ユゴー


レ・ミゼラブル (下) (角川文庫)レ・ミゼラブル (下) (角川文庫)感想
作者が20世紀にはもうないだろうと綴った旧体制は21世紀になっても存在している、と思いながら読んだ。当時のフランスの社会の歪みを描いているんだけど、現代にも通じることは大いにある。コゼットの葛藤はほぼ触れられていないんだけど、ジャン・ヴァルジャン視点とマリウス視点でみると彼女はどうにもお気楽で、それゆえにジャン・ヴァルジャンに希望も絶望も与えている存在になっている感じがした。10年も大切に育てたのに、結婚したら浮かれて「お父様」が来なかったことも気に留めなくなる、タイトル通り「ああ、無常」。
読了日:12月31日 著者:ヴィクトル・ユゴー


なつかしい日本をさがし台湾なつかしい日本をさがし台湾感想
烏山頭や屏東まで紹介しているのはレア。博物館はよく行くんだけど、銀行はあんまり行ったことがないんだよなあ…つぎ渡航できたら行ってみたい〜!あと、北投の温泉も(実は行ったことがない)!
読了日:12月31日 著者:おがた ちえ

読書メーター

 

2021年ふりかえり

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謹賀新年。年末に書こうと思ったこの記事、書き損ねて気付いたら年を越してしまった。2022年もよろしくお願いいたします。

さて、2021年も新型コロナの影響で、おうち時間多めの生活となったものの、ワクチンの普及や秋頃から感染が落ち着きを見せたこともあり、友人と出かけたり、どこかに遊びに行く機会が増えた。全体的に抑圧的な空気が流れた2020年に比べ、良くも悪くもその雰囲気が緩み、2019年以前の生活に近づいている気がする。

そんな2021年、海外旅行に一度もいけないどころか、海外に行けないせいでキャリアも狂う…という状況だった。ただ、国内外への移動以外でも、印象に残ったことがいくつかある。今回の記事では、今年の振り返りとして、そんな印象に残った出来事を書き出してみたい。

ちなみに、ざっくり月ごとに何があったかを把握するには、以下の読書録を参考にした。だいたい読んだ本から、その時期自分がはまっていたことや考えていたことがわかるので、心の動きを思い出したいときに参考になる。

mang2guo3.hatenablog.com

馬車馬のように働いた第1四半期

1~3月の思い出は、ほぼ仕事に集約される。たぶん、社会人生活の中で一番働いた時期といってもいい。仕事が多かったというよりも、相乗効果があまりない仕事を複数同時にこなすということをしていた。

仕事は一つ一つは重かったが、マルチ度合いでいえば大学受験(5教科9科目)よりは楽だと思い、ある作業に飽きたら別の作業をやり、頭を適宜切り替えつつタスクを片付ける無限ループを回して気付いたら第1四半期(会計年度の2020年度)が終わっていた。

3月31日、複数同時にこなしていた仕事のうち、大きな1つから解放されることに伴い、デスクも片付けることとなったのだが、片付けが下手(というか、ためらってものを捨てられない性分なため)なせいで23時退勤になったことを覚えている。マルチタスクのなかに「掃除」タスクが含まれると私はダメになるらしいということを、年度末に自覚した。

燃え尽きた第2四半期

3月までは忙しかったが充実もしていたので、なんだかんだ日々充実していた。ただ、それがなくなってしまい、4~5月は完全に燃え尽きモードになってしまった。仕事量は通常を1とすると、1に戻ったはずなのに、3月まで半年間1.2~2.0くらい働いていたのでなんだか物足りない感じがした。

気持ちの面では物足りなさを感じていたが、体にはガタがきていたようで、5月中旬に突然おなかが壊れて飯が食べられなくなった。2週間ほど我慢したが症状は改善せず、その後お医者さんに薬を処方してもらい、1ヶ月ほどかけて回復。気付いたら春も初夏も終わって夏になっていた。

体調悪くなったら、むりせずすぐに病院に行くことだ。ご飯食べられなくなると、簡単に痩せるが、脂肪とともに失われた体力と筋力は戻すのにすごい時間がかかることを学んだ。もうあんな思いはこりごり。

ヨガでリハビる7月

7月には体調が回復し、落ちた体力を戻すためにホットヨガを始めた。詳細は以下の記事にまとめたが、秋にはヨガにメンタルも救われることとなる。いい買い物をした。

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また、ちょうど7月に新型コロナワクチンの2回目を接種し、約10年ぶりに発熱した。熱が出るとこんな体調になるんだっけ、と久々に浮遊感と全身の関節痛を味わいながら考えた(寝てる間、考えるしかすることがなかった)。

夏休みモード全開の8月

7月まで抱えていた大きな仕事が終わり、夏休みモードに突入した。遊びにも行っていたが、諸事情で病院にかよっていたこともあり、毎週1日くらいは副作用で体調が悪かった。基本的には仕事か、読書か、ヨガしかしていない8月だった。

久々にがっつり勉強をした9月

9月に入り、仕事もあったが、第1四半期の反動で「ヒマ感」が拭えなかった。また、オリンピック期間に激増した新型コロナの影響で在宅勤務も増え、時間を持て余していた。

ある晩、だらっと見ていたYoutubeで10日間で国家資格をとるという企画を拝見した。この企画に触発され、自分も(当初はそのつもりではなかったが、計画性がなく結果的に)10日ほどで同じ国家資格試験にチャレンジすることにした。仕事にも役立つ内容だったので10日ちょいでいけたが、まあ無謀な挑戦。ただ、この経験から何も学ばず、年末にまた同じ挑戦をすることになる。

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遊び尽くした10~11月

9月は資格試験の勉強に集中していたが、10~11月は少し遠出して久々に友人や恩師と話をする機会を作った。仕事でメンタルがへこんだときはヨガとおでかけで気分転換をした。夏にヨガを始めた自分に感謝した。

もう一度勉強を頑張った12月

9月に受験したITパスポートの1ランク上の試験を受験。当初は10~11月と同じくらい余暇があることを前提に受験を申し込んだが、12月に入って新型コロナが落ち着きを見せたために出社頻度が上昇、ついでに新しい仕事も始めることになり、平日の余暇がなくなった。というわけで、ほぼ詰め込み勉強になってしまったが、受験勉強を通じていろいろ学べたのでまあよかったのかな…(結果は合格だった)。

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ちなみに、この試験終了後、数年ぶりにヘタリアにドハマリしてしまい、年末にミュージカルを見るわ、年始はその本を読んでいるわで2~2.5次元にどっぷり浸った年越しをしたのだった。

まとめ

2021年は2020年に計画していたことがうまくいかず、心が宙ぶらりんな状態が続いた年だった。ただ、このブログにまとめたように、ふりかえると新しく挑戦したことや学んだことがあり、得たものもあった年だったと思う。

特に、初夏に体調を崩したことで、健康のありがたみを実感したのは大きかった。もうあんな思いはこりごりなので、2022年はほどほどに、無理しない程度に頑張っていきたいと思う。